家賃を抑えられるのが魅力の会社の借り上げマンション。しかし、職場だけでなくプライベートな空間でも同僚との距離が近いという特殊な環境が、予期せぬ事態を引き起こします。友人が、貴重な体験談を聞かせてくれました。

同期との親しい関係

会社の借り上げマンションに住んでいる私。同じフロアには女性の同僚や同期が住んでいます。

新入社員として入社した当初は、同期の存在をとても心強いものに感じていました。仕事の愚痴を言い合ったり、プライベートの相談をしたり。特に同期Kとは親しい間柄になりました。

しかし、あるときからKに対して奇妙な違和感を覚えるようになったのです。

違和感の始まり

最初は些細な違和感でした。私が持っているバッグや小物と、Kの持ち物がそっくりになっていったのです。

「真似されてるようで嫌だな」と思いつつ、気にしないよう努めました。しかし、その頻度は次第に増していきました。

そしてある日、数人の同期を自宅に招いた際、Kの視線がやけに部屋中を観察しているように感じたことがありました。その時も特に深く考えませんでしたが、数カ月後、私がKの部屋を訪れた際、衝撃的な光景を目にしたのです。

衝撃的な光景! 同期Kの部屋で感じた恐怖

Kの部屋は、私の部屋とまったく同じ配置で家具や家電が並べられていたのです。ソファやテーブル、まるで私の部屋をそのままコピーしたかのようでした。

その瞬間、背筋が凍るような恐怖と、強烈な違和感に襲われました。他の同期の部屋では感じたことのない異様な感覚。

これまで私が抱いていた「持ち物が真似されているかも」という疑念は確信へと変わりました。

Kとのその後

後から他の同期に聞いた話では、Kは学生時代から「誰かの真似をする」という癖があったようです。特に、自分よりも目立つ存在や周囲から評価されている人に憧れ、その人を模倣することで自分自身を肯定しようとしていたとのこと。

私の場合も、当時周囲から評価されたことがあったことや、プライベートが充実しているように見えたことが原因だったのかなと思います。

それ以来、私はKと距離を置くようになりました。仕事上の付き合いはありましたが、それ以上深く関わることは避けました。今思い出してもゾッとする出来事です。

【体験者:20代・会社員、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。