子どもはときに、親が予想もしていなかった行動に出ることがあります。今回は私の友人A子さんから聞いた、小学校1年生の息子がサッカーをきっかけに年の離れた6年生と仲良くなった話をご紹介します。

小1息子の放課後事情

A子の近所には、小学校1年生の息子の同級生が住んでいません。以前は近くに1人だけ同じクラスの活発な女の子が住んでおりよく放課後も一緒に遊んでいたのですが、家庭の事情で県外に引っ越してしまいました。

そのため、習い事のない曜日の放課後に一緒に遊ぶ相手がなかなか見つからず、A子が息子の相手をするしかありませんでした。寒い日も暑い日も息子は外で遊びたがるので、もっぱらサッカーの相手をしていました。

自転車に乗った少年たちは…

A子の家は広い歩道のある道路に面しているため、よく自転車に乗った見知らぬ少年たちが通り過ぎていくのが見えていました。特に声をかけたりかけられたりしたことはありませんでしたが、向こうもサッカーをしているA子たちの方を毎回まじまじと見ていきます。どうやら少年たちは、息子の顔を覚えてくれたようでした。

同じ小学校に通う6年生の集団だった

そんなある日、学校で休み時間に息子がクラスの子と一緒に遊んでいたところ、名前も知らない6年生の子からいきなり「いつも庭でサッカーしてる子だよね?」と声をかけられたというのです。いつも自転車で家の前を通り過ぎる少年たちは、同じ小学校に通う6年生だったということが分かりました。

それ以来、その6年生の子たちと仲良くなった息子は、昼休みなど長い休み時間になるとクラスの子そっちのけで6年生とサッカーをするように。平日の放課後も自宅近くの広場で6年生が遊ぶときは、ありがたいことに息子も誘ってくれるようになったのです。

休み時間も? 放課後も?

6年生からお誘いがあった日の息子は、うれしさのあまり超特急で宿題を終わらせ、ものすごい勢いで走って広場へ向かいます。いつも一番乗りの息子ですが、自宅の窓からも広場の様子が見えるので、A子も安心しています。北風がビュービュー吹き荒れる真冬でさえも、結局暗くなるまでサッカーをしている子どもたち。同じ小学校にやさしくて頼りになる6年生が何人もいてくれて、A子はとてもありがたいなと思っています。

もうすぐ中学生になる彼らと遊べる時間は残り少ないかもしれませんが、息子には一緒に遊んでもらえていることを感謝しつつ、楽しい思い出をたくさん作ってほしいと思っているA子でした。

まさか1年生の子どもが6年生と一緒に遊ぶようになるとは思いもしませんよね。6年生も手加減しつつも思いっきり遊んでくれる、やさしい子たちばかりだそうです。先輩に恵まれてよかったですね。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:ichika.K
2児の育児を機に、ママの悲喜こもごもを描くライターとしての活動をスタート。子育てメディアなどの執筆を経て、独立し現在はltnでコラムを連載中。大手企業の総合職でのOL経験、そこから夫の単身赴任によりワンオペでの育児を行った経験から、育児と仕事を両立するママの参考になる情報を発信すべく、日々情報をリサーチ中。