近所に不審者が出没!
郊外の戸建住宅に住むA子。ある日、玄関のチャイムが鳴りインターホンのモニターを見て、ギョッとしてしまいました。そこには警察官が立っていたのです。
警察官はA子の家の近所で不審者が出没したことを告げ、捜査協力を求めてきました。
A子が住む地域は治安は悪くなく、こんなことは初めてのこと。これまで凶悪犯罪のニュースを聞いても他人事だと思っていたため、怖くなってしまいました。
警察から不審者が出没した日時に何をしていたか、怪しい人物は見かけなかったかを尋ねられましたが、そのときはA子も家族も不在でした。
近所の人たちも同様の質問をされ、A子の向かいに住むB美は、自宅に設置していた防犯カメラの映像を提供することになったそうです。
防犯カメラを設置してたの?!
A子はB美が防犯カメラを設置していることを知りませんでした。
「えっ、防犯カメラがあったの?」とA子が言うと、「最近はこの辺りも物騒だから。うちには小さな子がいるし、念の為にね」と答えたB美。
防犯意識の高さにびっくりしたA子でしたが、防犯カメラに映されていたものを知って、さらにびっくりしてしましました。
防犯カメラの映像にギョッ!
B美は、A子宅の玄関とリビングが映る角度で防犯カメラを設置していたのです。
A子はリビングに遮像レースカーテンをつけていたため、幸い家の中の様子は録画されていませんでした。
ところが、玄関のほうは遮るものがなかったため、人の出入りが全て録画されていたのです。
しかも、録画された動画は、A子や夫が定期的に確認していたのだとか。
このことを知り、A子は絶句してしまいました。「まるで、うちを監視しているみたいじゃない……!」
プライバシーの侵害だよね!?
防犯カメラを確認した警察は、プライバシー上問題があるとB美を注意し、角度を変えて設置するよう指導してくれました。
そのおかげでB美はカメラの角度を変えてくれましたが、不審者騒動がなければそのまま録画され続けていたはず。
A子はゾッとし、B美に「プライバシーに配慮してくれないと」とやんわり苦言を呈しましたが、B美は「プライバシーよりも防犯が大切でしょ?」と、悪びれる様子もありません。
自分さえ良ければいいのか! とA子はモヤモヤ。B美は良き隣人だと思っていましたが、その認識を改めることにしたそうです。
防犯カメラで自宅の敷地外を撮影する行為は、プライバシーの侵害とみなされる可能性があります。設置する際は、敷地内のみの撮影になるよう、気をつけましょう。
【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。