真相解明の瞬間
ある晩、ついに私は勇気を出して、彼女の動きをじっくり観察することにしました。
すると、彼女の視線の先に、室内に置かれたタブレットがあることに気付いたのです。
さらに目をこらしてよく見ると彼女はヘッドホンを装着していました。
その瞬間、私は全てを理解しました。
あれはダンスではなく、オンラインフィットネスだ!
彼女は室内にタブレットを置き、自分だけベランダに出て、ヘッドホンで指示を聞きながら運動していたのでした。
なぜそんな面倒なことを? という疑問は残りましたが、少なくとも怪しい儀式ではないと分かり、胸を撫で下ろしました。
予想外の交流に発展
後日、マンションの前で彼女に会った時、私は思い切って話しかけてみました。
「あの、いつもベランダで運動されてますよね?」
彼女は少し恥ずかしそうに、「ごめんなさい。気になりますよね……実は私、ハンドメイド作家をしていて。室内は細かい部品が多くて身体が当たったりすると大変なので、仕方なくBluetoothのヘッドホンをつけて、ベランダに出てやってるんです」と答えてくれました。
さらに聞いてみると、彼女はもともと運動音痴で、フィットネスのつもりがどうしても変なダンス のようになってしまうそう。
謎が解けたことで恐怖は消え、代わりに笑いがこみ上げてきました。
それからというもの、私たちは顔を合わせれば立ち話をするようになりました。お互いの仕事や趣味の話で盛り上がり、今ではすっかり親しい間柄です。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。