結婚記念日は夫婦水入らずで過ごしたいものですよね。特に長年連れ添った夫婦にとっては、静かに二人の時間を大切にしたいと思うのは自然なことです。今回は、そんな結婚記念日に関するトラブルエピソードを知人が聞かせてくれました。

結婚30周年の旅行

私たち夫婦は、今年結婚30周年。夫婦水入らずで記念日をお祝いしようと、落ち着いた雰囲気の温泉旅館を予約し、楽しみにしていました。

ところが、息子からの電話で突然事態は急変!
「あのさ、妻が旅行に一緒に行きたいって言うんだけど」と申し訳なさそうに切り出す息子。どうやら、息子の妻のA子さんが私たちの旅行計画を聞きつけたようです。

私は困惑しました。「え、でも……結婚記念日のお祝いなのよ」と言いかけると、息子は「分かってるけど、どうしてもって言うんだ」と困り果てた様子。

当初の計画と全然違う!

A子さんは少し無神経なところがある人なので、この申し出に私は不安が募りました。
とはいえ息子をこれ以上困らせるわけにもいかず、渋々息子夫婦も一緒に旅行に行くことに同意したのです。

しかし、ここからが大変でした。
A子さんは「せっかくだしアクティブに過ごしましょう!」と、勝手にプランを変更し始めたのです。

旅館の予約はキャンセルされ、ホテルに変更。落ち着いた観光プランは全て却下され、遊園地やショッピングなどを詰め込んだ慌ただしいプランに変更されてしまいました。

思い出は最悪なものに

さらに、旅行費用も当然のようにA子さんは支払いませんでした。
親として、息子夫婦の分まで出すことはやぶさかではありません。しかし、せっかくの記念日旅行が台無しにされた上に、高額な出費まで……と、ガッカリする気持ちは抑えられませんでした。

旅行中もA子さんのペースに振り回されっぱなし。
私はすっかり疲弊し、最悪な旅行になってしまいました。

息子の申し出に感謝

旅行から帰り、息子が申し訳なさそうに「俺たちが半額出すから……」と言ってくれました。
するとA子さんが、「え? お義母さんたちからのプレゼントなんだから出さなくていいのよ!」と口を出してきました。

そんなことは一言も言っていないので私は驚きましたが、息子は落ち着いた様子でA子さんに向かって、「記念日旅行を台無しにしてしまったんだから当然だろ。本当はこっちが多く出さなきゃいけないくらいだ。それに、A子の両親の記念日には俺たちがお祝いしたよな? なのにうちの両親には何もなしとか、おかしくないか?」と静かに、しかしはっきりと告げました。

A子さんはハッとした表情になり、何も言えなくなりました。
そして後日、断ったにもかかわらず息子は旅行費用を少し多めに払ってくれたのです。

今度こそ穏やかな記念日を過ごせるよう、夫と改めて温泉旅行に行く計画を立てています。

【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2024年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。