自他ともに認める、完璧主義のA子は、時間がかかっても一切仕事の手を抜けませんでした。目の前のことにとらわれすぎていた彼女でしたが、上司の一言で、仕事本来の目的を見つめ直します。ときに柔軟になることも、私たちには必要なんですね。

完璧主義な私

私は、超がつくほど完璧主義です。
仕事でも、資料は限界までブラッシュアップし、メール送付時は誤字脱字がないか5回は見直します。

「こんなものでいいか」という仕事は、自分のポリシーに反するのです。
常に100%の力を出し切りたい。完璧にこなしたい。その想いに取りつかれながら、深夜まで残業する日々でした。

上司の強烈な一言

その日も、同僚たちが定時で帰るのを横目に、私は遅くまでデスクに向かっていました。
「これで完璧!」と納得できるまで帰れません。

目の下に大きなクマを作りながら、エナジードリンク片手に奮闘する私を見て、「そこまでする必要ないのに」とみんなが言っていることは知っています。
でも、これが私のやり方なのです。

おもむろに、上司に声をかけられました。
「顔が真っ青だよ。もう今日は帰りなさい」

「大丈夫です。これを仕上げてから……」

「A子さん、あなたは完璧を求めすぎだよ」
反論する私を、上司はすばやく遮りました。