一体誰が?
そんなある日、仕事から帰ると玄関先に米や野菜などの食料品が置いてあることに気が付きました。
さらに数日後、今度は果物やお菓子などが玄関先に届きました。
ますます謎は深まるばかり……。
でも、買い物に行く時間も確保できない慌しい日々の中で、玄関先に届けられる品々には、正直とても助けられました。
こっそり助けてくれていたのは……
友人に相談してみると、「もしかしてお姑さんじゃない?」と言われました。私はその言葉を聞いて、思わず耳を疑いました。
姑は離婚に際して、私を責めるようなことは一切言いませんでしたが、それでも心中穏やかではないだろうと思っていたからです。
しかし翌日、こっそり監視していると、1台の車が家の前に停まりました。降りてきたのは、紛れもなく姑!
大きな袋を玄関先に置いて去っていく姿を見て、私は驚きを隠せませんでした。
すぐに姑に電話をかけ、「さっき来てくださいましたか?」と尋ねると、姑は戸惑った様子で「あなたと孫が心配だったの。お節介だろうけど、何かせずにはいられなくて……」と答えました。
姑の優しさに感謝
姑は、実は誰よりも私と息子のことを心配してくれていたのです。
今では月に1度、息子に会いに来てくれます。私の体調が悪い時には、息子の面倒を引き受けてくれることも。
離婚によって、夫との関係は終わってしまいましたが、姑との新たな関係が始まったのでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。