これは筆者の知人Cさんから聞いたエピソードです。Cさんの家は日常でキャッシュレス決済ばかり使っているので、小学生の息子が発した意外な質問に驚かされたそうです。現代っ子ならではの感覚に気づかされるユーモラスな体験談です。

息子の一言に「え?」

ある日のこと、小学3年生の息子がCさんに「ママ、紙のお金ってどこで買うの?」と真剣な顔で聞いてきました。最初、Cさんは意味がわからず「何のこと?」と聞き返しましたが、息子は続けてこう言いました。

「だって、ママいつもスマホでピッてしてるじゃん。紙のお金が必要なときはどうやって手に入れるの?」

その瞬間、Cさんはハッとしました。確かに最近は、家族全員がキャッシュレス決済を利用することがほとんどで、現金を使う機会がほぼないのです。

現金の存在が「謎」

息子に「お金は銀行やATMで引き出せるんだよ」と説明すると、「ATMって何?」という返事が返ってきました。さらに、「じゃあ、ATMってどこで買うの?」と真顔で尋ねられ、Cさんは思わず笑ってしまいました。

息子にとって、紙幣や硬貨はどこか「特別なもの」に見えていたようです。スーパーやコンビニでカードやスマホを使って買い物をする姿を見て育ったため、「お金はスマホの中にある」と信じていたのです。

実際にATMを体験

Cさんは翌日、息子を連れて近くの銀行に行き、ATMの使い方を見せることにしました。「お金は働いたらもらえて、それを銀行に預けてるんだよ」と説明しながら実際に現金を引き出して見せると、息子は目を丸くして「ママ、魔法みたい!」と感激していました。

キャッシュレス化が進む中で、現金の存在や使い方を教えることも、これからの子育ての大事な一環だと感じたと言います。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。