深夜まで残業
あの日私は、深夜まで残業をしていました。
なんとか仕事を終え、疲れ切ってやっと会社を出たかと思うと、まさかの大雨。
時間と天気のせいで、なかなかタクシーも捕まりません。
「今日はついてないわ」
見知らぬ男に相乗りを迫られ――!?
配車アプリを使って、20分ほど待ったでしょうか。
やっと現れたタクシーに乗り込み、ほっと一息ついたのもつかの間、突然見知らぬ男性が同乗しようとしてくるではありませんか。
「お姉さん、相乗りさせて!」
その奇怪な行動に恐怖を感じた私は、もちろん丁寧にお断りしました。
しかし、男性は引き下がる気配なく、ドアから手を離しません。
「やっぱり今日は散々な日だわ!」
この雨で、どうしてもタクシーに乗りたいのかもしれませんが、彼の常識知らずな行動に怯えてしまい、私の心臓は激しく鼓動を打ちました。
「110番しますよ」
その時、運転手さんが冷静な声で言い放ちました。
「防犯カメラが作動中です。これ以上しつこくすると、110番しますよ」
すると男性はチッと舌打ちし、立ち去っていきました。
例の男は、女性相手には強気だったのかもしれませんが、運転手さんの毅然とした態度と、「防犯カメラ」というフレーズに動揺したようです。
私は、その運転手の方に、心から感謝を伝えました。
防犯意識を改める
女性は防犯の意味でもタクシーを利用する機会があると思います。
ですが、「タクシーに乗り込んだから安心だ」というわけではありません。
家に帰って鍵を閉めるまでは、絶対に気が抜けないことを思い知りました。
もしあの時、運転手さんが面倒ごとを避け、二人そろって乗車拒否され、道に放り出されていたら――。
そう考えると、ぞっとします。
あの事件があってから、私は残業を控えるようになりました。
みなさんも、特に深夜の外出には、くれぐれもお気を付けください。
【体験者:30代女性・会社員、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。