誰かと比べる必要なんてない。彼女の素敵なエピソードに、勇気づけられること間違いなしです。
幼少期から、姉と比較され……
「お姉ちゃんはできるのに」
私の人生は、母の言葉に支配されていたように思います。
姉は、誰もが認める才女。
学業優秀かつ運動神経抜群。性格も明るく社交的で、まさに理想の娘です。
一方私といえば、どんなに頑張っても勉強は中の下。さらに、運動音痴で内向的ときています。
こんな風ですから、ずっと姉と比較されながら育ちました。
「お姉ちゃんは勉強ができるのに」
「お姉ちゃんはリレーの選手なのにね」
そんな風に言われる度、私のコンプレックスはどんどん大きくなっていきました。
絵を描いているときは、自分らしくいられる
そんな私が唯一自分らしくいられるのは、絵を描いているときです。
小学生のころ、学校の宿題で絵を描いていると、通りかかった姉から
「すごい! C子は絵の才能があるわね。私じゃこんなに上手くは描けないわ」と褒められたことがきっかけで、毎日絵を描くようになったのです。
コンプレックスを感じるものの、優しい姉のことは大好きで、そんな姉からの言葉がとても嬉しかったのを覚えています。
大人になっても、私はずっと絵を描き続けていました。
姉からの提案
ある日、姉から「そんなに絵がうまいんだから、SNSで自分のイラストや漫画を発信してみたらどう? 」と提案されました。
「えっ、私の絵なんか誰も見ないよ」と言うと、「誰も見ないなら、なおさら恥ずかしくないわよ。趣味がてら投稿してみたっていいじゃない」と姉。
それもそうだと思い、私はSNSにチャレンジしてみることにしました。
フォロワー5万人のイラストレーターに!
まさかこれが、人生の転機になるなんて思いもよりませんでした。
発信を始めるとすぐに、仲の良いフォロワーさんができ、すっかりSNSにはまりこんだ私。
みんなからの反応が楽しみで、精力的に投稿を続けていると、気づけばフォロワーは5万人を超えていました。
そのあたりから、たくさんの良いご縁に恵まれ、なんと企業のイラスト案件を請け負う仕事で独立することに。
「どうしてもC子さんに描いてほしいんです」
という嬉しい声は、私に大きな自信をもたらしてくれました。
誰かと比べる必要なんてない
先日久しぶりに帰省すると、リビングに私の絵が印刷され、飾ってあることに気づいて驚きました。
「お母さんね、C子の絵が大好きだ、うちの子はすごいって毎日お父さんに言ってるみたいよ」
姉の言葉を聞き、思わず目頭が熱くなりました。
ずっと比べられ続けていたことを、今でも恨んでしまう自分もいます。
でもたしかにこの瞬間、コンプレックスの塊だった自分の心が溶けていくような気持ちがしたのです。
夢中になるほど大好きな仕事で生計を立て、自分に自信をもてるようになった今では、誰かと比べる必要なんかない、私は私なんだと思えます。
自分が輝ける場所というのは必ずあって、それを見つけるまでの道のりは人それぞれ。
私は私の道を、これからも進んでいこうと思います。
【体験者:30代女性・イラストレーター、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。