倦怠期に悩む日々
私たち夫婦は結婚15年目で、俗に言う【倦怠期】に突入していました。
会話は事務的なことばかり。食卓を囲んでも、夫はスマホ、私はテレビ。まるで他人同士が同じ屋根の下で暮らしているような感覚でした。
このままではいけない、と思いながらもどうすればいいのか分からず、ただただ日々は過ぎていく一方。私は行き場の無い焦りを感じていたものです。
夫婦で陶芸にチャレンジすることに
そんなある日、ふと目に留まった1枚のチラシに、私はハッとしました。
それは、近所の公民館で開催される陶芸教室の案内で、「夫婦での参加も大歓迎です!」という文字が書かれていました。
夫を誘ってみると、案の定「え~……陶芸?」とあまり乗り気ではない様子。しかし、私の強い勧めに、最終的には夫もOKしてくれました。
陶芸で作ったものは
初めての陶芸教室の日、先生に粘土の扱い方を教わり、いざ制作開始!
「さて、何を作ろう?」と考えながら、ふと私は夫が晩酌用のぐい飲みを欲しがっていることを思い出しました。
ゆっくり晩酌しながら美味しそうにお酒を飲む夫の姿や、私が作った料理を褒めてくれる時の優しい笑顔も、最近は見る機会が減っていたなぁ……としんみり思い、私は夫へのサプライズプレゼントとして、ぐい飲みを作ることにしました。
チラッと盗み見ると、夫は何やらカップかお茶碗のようなものを作っているようでした。
お互いの作品を見てびっくり!
数週間後、完成した作品を受け取りに行きました。
私がぐい飲みを、「はい、これ実はあなたのために作ってたんだよ!」と照れながら差し出すと、夫はびっくりした顔で私を見ました。
そして、「実は俺も、きみのためにマグカップを作ってたんだ」と、おもむろに淡いピンク色の可愛らしいマグカップを手渡してきたのです。
夫が私のために作ってくれていたなんて、想像もしていなかった私はびっくり!
お互いに相手のことを思って作っていたことが分かり、まるで「賢者の贈り物」のように、年甲斐もなくキュンとしてしまった出来事でした。
このやりとりをきっかけに、最近は少しずつ倦怠期からも抜け出してきています。夫婦共通の趣味ができたことで、会話も弾むようになりました。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。