筆者の体験した出来事です。
父が持病で入院し、大部屋に入った時の話です。
父が持病で入院し、大部屋に入った時の話です。
入室後、うろうろする父
病室に到着すると、父は私を残してどこかへ行きました。
うろうろと歩き回った末、戻ってくるなり隣のベッドとのカーテンを閉めるよう指示。
いつもならすぐにベッドに横になるのにどうして? と思いつつ閉めると、父が小声で耳打ちしました。
「隣のベッド、A伯父(母の伯母の夫)だと思うぞ。名前も間違いない」
伯父といっても、顔もうろ覚えだった父は、名札を確認しようと隣のベッドを何度も見に行っていたとのことでした。
大家族の背景
祖母は10人兄妹で、親族が多く、地元に住む者同士は親しい関係でしたが、A伯父は隣市に住んでいるため、顔を合わせる機会が少ない存在でした。
ちょうど、母は不足品を買いに出かけており、父と私だけが先に病室に入っていました。
確信は持てないまま、本人に尋ねるべきかどうか迷っていると、やがて見舞いに訪れた伯母の声が聞こえ確信した私たち。
カーテンを開けて挨拶すると、伯母は
「あら、あなたも入院したの?」
と驚いた様子。
まさか隣の空きベッドに入った人が親族だとは思わなかったようです。
同じ病院で診察を受けていたこともお互いに知らず、驚いていました。
その後、母も買い物から戻り伯母と再会、顔を合わせて驚きつつも苦笑していました。