人の善意につけこんで、自分が得をしようとする人って時々いますよね。どんなに親しい友人でも、損得を考え始めたら対等な関係は保てないのではないでしょうか。今回は、筆者の友人のエピソードをご紹介します。

海外通販にハマる友人

友人のA子は、1年ほど前から海外の通販サイトで服やコスメを買うのにハマっています。
それだけならいいのですが、問題は、そうして買った商品をこちらに押し付けてくること。
「あなたの分も買っておいたよ!」という優しげな言葉と共に、ちゃっかり代金を請求されるのです。

友人関係が壊れるのが嫌で、最初は「まぁいいか」と数千円を払っていました。
でも、その頻度がどんどんエスカレートしていくにつれ、私の心にはモヤモヤが募り始めました。

モヤモヤが募る

そもそもA子から押し付けられる商品は、どれもこれも私の好みとはかけ離れています。
ある日、鮮やかなグリーンのワンピースをA子に勧められました。さすがにこれは着られないと思い、「ごめん、これはちょっと……」と返事をしたのですが、A子からは「せっかく買ったのに! 今回は特別に4000円でいいから!」という返事が。

そもそも頼んでいないのに……。それに、4000円だって決して安くはありません。
この時、私ははっきりとA子の魂胆に気づいてしまいました。彼女は私を送料無料要員、いわば【お得意様】として利用しているのだと。

別の友人に相談してみると……

何度か勇気を出して「本当にいらない」と伝えてみたこともありましたが、「じゃあ、この服はどう?」と、別の商品を押し付けられる始末。
まるで、断られることを見越して複数注文しているようです。

この状況に疲弊した私は、ある日共通の友人Bに相談してみました。
「それって完全に利用されてるよ! 私だったら絶対払わない」とBは一刀両断。彼女の言葉でやっと目が覚めた気がしました。

時には毅然とした態度で

その数日後、A子からまた「素敵なワンピースを見つけた!」と連絡が来ました。写真には、「いつ着るの?」と言いたくなるような深い紫色のワンピースが。

そこで、私は初めて反撃に出ることにしました。
「ありがとう! でも、服は自分で選びたいからいらない」と返信したのです。

案の定A子は食い下がってきましたが、「自分の好きなものを選びたいから」と丁寧に、しかし毅然とした態度で断り続けました。

すると徐々にA子からの連絡はなくなり、今はほとんどやりとりしていません。
友人が1人いなくなってしまったのは寂しいですが、仕方のないことだったと思っています。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。