父は小学校の教師で、しつけや礼儀作法、勉強に厳しい人でした。私はどちらかと言うとおっとりしていて不器用な性格で、箸の使い方から始まり鉛筆の持ち方、字の書き方がなかなか身につかず、「なんで言われた通りにできないんだ」とよく父に怒られていました。
対して2歳上の兄はしっかり者で、父の言うことを守れる器用なタイプ。いつも父は「兄は本当によくできた子」「自慢の息子」と喜んでいました。
兄と比べて褒められない日々のなかで「私はダメな子なんだな」と思うようになり、その思いは大人になっても劣等感として残りました。