これは実際に私が体験した話です。
友達と楽しい時間を過ごした帰り道。
混み合ったバスで思いがけない優しさに触れ、心が温まったエピソードです。

理由を探るひととき

お礼を言い席に着いたものの、どうして自分が選ばれたのかが気になって仕方ありません。
他にも立っている方がいる中で 【なぜ私?】 と疑問が頭をよぎります。

考えを巡らせるうちに、ふと自分の服装と仕草に思い当たりました。
ぽっちゃり体型の私はゆったりとした服を着ていました。
また、この日は友達と楽しく過ごし、ついつい食べ過ぎてしまっていたため、無意識にお腹をさすっていたのです。
妊婦さんに見えたのかもしれないと考えると、少し気恥ずかしくなりました。

声掛けが心に響いて

「妊婦さんですか?」
と直接聞かれたわけではありませんが、誤解されていると思うと訂正するべきか迷いました。
けれど、その場で
「妊婦ではないです」
と説明するのも妙な気がします。

色々と考えを巡らせている間にバスは停留所に到着。
降りる際、男性に
「本当にありがとうございました」
と頭を下げると、
「足元に気をつけてくださいね」
と優しい声が返ってきました。

温もりが胸に残る

家に帰ってからも、その男性の優しそうな人柄やスマートな行動が心に深く残っています。
実際に妊婦ではなかったので席を空けていただいたのは少し申し訳なかったかもという気持ちももちろんありましたが、席を譲る・譲らないことに関して辛辣な話も多く耳にする中、【世の中ちゃんと親切な人がいるのだ】 と改めて感じた体験でした。

ほんの数分間の出会いでしたが、人の優しさに気づかされる貴重なひととき。
思いもよらぬタイミングでそれを受ける当事者となりましたが、その温かさが胸に広がり、世の中には優しい人の方が実は多いのかもしれないと実感した出来事です。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。