自分の子どもがイジメの被害に遭ったとき、親としては何とかしたいという気持ちになるものです。筆者の友人・K美は、娘のYがイジメの被害に遭い、思わず逆上してしまったとか。K美のちょっとスカッとするエピソードをご紹介しましょう。

イジメ

私には中学生の娘・Yがいます。
Yは大人しいところがあり、中学に進学してから所属したテニス部内で、先輩からのイジメに遭っていました。

ある日、私が仕事から帰ってくると、リビングには泣いているYが。
声を掛けてYの顔を見ると、前髪がギザギザに切られていて、せっかく伸ばしていた後ろの髪の毛も肩ぐらいまでの長さになっていたのです。

復讐

何があったのかを聞くと、今日の部活が始まる前に先輩が「お前は髪が長すぎるんだよ!」と言い出して、ハサミで切られたと言うのです!
顧問の先生は現場におらず、周囲の部員たちも何も言わなかったとのこと。

このことを聞いた私は、さすがに黙っているわけにはいかないと思い、次の日の部活が始まる時間に、学校へ乗り込むことに。
テニス部の練習しているコートへ行き「昨日、うちの娘の髪の毛切った奴は誰だ! 出てこい!」と大声で騒いでやったのです。

ブチギレ

私の勢いに驚いた顧問の先生が止めに入ったのですが「髪の毛を切るのは立派な傷害罪ですよ? 切った奴を見つけて、警察に連れて行きます。」と話しました。

私は一人ひとり「あんたがやったの?」と聞いて回りましたが、犯人は名乗り出ませんでした。
私は怒りが収まらなかったので、顧問の先生に「だったら、今回の話を公にします。まずは警察。それからマスコミ。娘に聞けば犯人の名前はわかるはずだから、そいつが名乗り出なかったことも全部SNSで拡散しましょうか。」と言ってやったのです。

意外な効果

すぐに学校側が謝罪に来て、イジメへの対応を約束してくれました。
しかし、次の日からYに対するイジメはまったくなくなったのです。
どうやらビビった加害者たちが「あの親はヤバい。」という話になったとか。

この話を聞いた私は「やりすぎたよねぇ。ちょっと大人気なかったかな。」とYに話しましたが、Yは「お母さんのおかげ。ありがとう。」とお礼を言ってくれました。
私はイジメへの怒りを抑えきれず、先生や生徒たちへ強く当たってしまったため、周りをさぞかし怖がらせてしまったことでしょう。その点は反省しています。言い訳になってしまいますが、自分の大切な我が子が傷つけられたとあって、冷静でいられなかったのです。
娘に対するイジメはなくなりましたが、イジメられた経験は傷として残ってしまうかもしれません。親として引き続き寄り添っていけたらと思います。

【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。