A子の夫は転勤族で、社宅に住む4歳と1歳の子どもを育てる毎日。
幼稚園のママ友との食事会が開かれることになりましたが、A子は参加を諦めかけていました。
しかし、子どもたちは夫の顔を一瞬見ただけでそのままG子の膝の上に。
【パパよりG子さん!】 と言わんばかりの態度に、夫は少しだけ眉をひそめましたが、それ以上は気にする様子もなく、話に加わるだけ。
その後、夫が席を立つと、子どもたちは玄関まで見送りに出ました。
「パパ、バイバイ!」
と笑顔で手を振るその姿は、まるで他人を送るようなもので。
夫は
「またね」
と軽く応え、そのまま上司と自分たちの家に戻りました。
家庭の在り方を見つめ直す
ママ友会を楽しんだ後、A子が迎えに来ると、子どもたちはすでにお風呂も済ませ、G子夫婦と川の字になってぐっすり眠っていました。
A子が帰ってくるまで起きていてくれたG子にお礼を言って、子どもたちを起こさないように自宅へ連れ帰ると、既に一人で寝ている夫。
A子は苦笑いしながら「夫は私たちが帰ってきたことも気づかないでしょうね」 とつぶやきます。
子どもたちが懐かない理由も、夫がそのことに無自覚であることも、A子には分かっていました。
けれども、目の前の現実をどう受け止めるべきか、答えはまだ見つかりません。
A子の胸に広がる不安。
それは、夫婦や家庭のあり方について考えさせられる出来事となりました。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。