「お客様は神様」というワードも見直されつつある昨今。接客業をしていると、理不尽なクレーマーと遭遇することは多々あるのだとか。アパレルスタッフとして働く友人のB子が、驚愕のエピソードを紹介してくれました。
真っ白なワンピース
私はアパレルショップで働いています。
その日もいつも通り接客をしていると、一人のお客様に話しかけられました。
「すみません、このワンピースを試着したいんだけど」
お客様が持っているのは、今しがた在庫から店内に出したばかりの、真っ白なワンピースでした。
「この商品、とっても人気なんですよ! さっきやっと在庫が入ってきたばかりなんです」
私はその方に笑顔でご説明しながら、試着室にご案内しました。
口紅のあとが、べっとり!
さて、試着を終えたお客様は、ワンピースを私の手に押し付けてきました。
「なにこれ、ずいぶんきつくて、着づらいわね!」
その商品は、サイド部分にファスナーがついており、着脱しやすいようになっているのですが、どうやらそのファスナーに気づかずに試着をされたとのことでした。
そんな着方をして、首回りが伸びてしまっていないだろうか。
心配になって確認すると――。
「あっ……」
なんと顔周りの部分に、べっとりと口紅のあとが!
「おそれいりますが、商品に口紅がついてしまっておりますので、こちらの商品をお買い上げいただく必要がございます」と、丁寧にお声がけすると、なんとそのお客様は逆ギレ!
「は? 私じゃないわよ! 前に試着した人でしょ?」と強く否定され始めたのです。
そんなはずはありません。この商品は在庫から店頭に出したばかりなのですから。
「少々お待ちください」
とお客様を引き留め、裏で別のスタッフに、試着室の入り口が映る防犯カメラを確認してもらうことに。