筆者の体験談です。
義両親が中古の住宅を購入しました。家は数年手入れがされておらず、荒れ放題。
しかし、庭そのものは立派な作りで、義父は「これを蘇らせるぞ」 と新居に引っ越すやいなや、自らの理想の庭を作り上げることに情熱を燃やしていました。
義母は連日の作業に疲れを感じていたのかもしれません。

義母からの依頼

ある平日、義母から電話がありました。
「庭の手入れを手伝ってほしい」 と頼まれたのです。
私は(少しでも力になれれば) と考え、快諾しました。

しかし、到着すると義母は
「まずお茶にしましょう」
と湯呑みを手にして座ったまま動きません。
毎週の庭の手入れの大変さをひとしきり話す義母。
それならば(早く作業を始めたい) と焦りながらも、義母の話を聞き続け、ようやく
「そろそろ始めませんか?」
と声をかけて庭に出たのは2時間後のことでした。

庭の8割は私の担当!?

草むしりが始まると、義母は
「タオル取ってくるわ」「ガス屋さんが来るかも」
などと言い、何度も姿を消します。

その間、私は広い日向部分を黙々と作業。
汗をふきながら義母を探したところ、日陰の草が少ない場所をゆっくりと手入れしている姿を発見。
その姿に唖然としつつも、(早く帰りたい) と思い、私は無心で作業を続けました。

義母の驚きの回答

数時間後、ようやく作業を終えた私に義母は「お茶にしましょう」と声をかけてきました。
しかし、(これ以上ここに留まればまた何か用事を頼まれるのでは)と思い、
「今日はこの辺で失礼します」
と帰り支度を急いだ私。
そして、帰り際に「次回はMさん(夫)がいる時にやりましょう」と提案したのです。

ところが、
「Mは仕事で疲れているんだから、休ませてあげないと。こういうことは女だけでやればいいのよ」
と驚きの返答が──私は返す言葉が見つからず、ただ曖昧に頷くしかありませんでした。

義母の発言を無視して全員で作業

帰宅後、夫にこの一件を報告。
夫は「ごめん」と謝罪するばかりで、義両親には何も言えず。
しかし、(このままではまた呼び出される) と相談し翌週末、夫婦揃って義実家を再訪しました。

夫が「片付けをやろう」と言うと、義母は
「疲れているんだからいいのよ。私と嫁ちゃんでやるから」
と笑顔で返すばかり。
私を見る表情には(なぜ息子を巻き込むのか) と不満が見え隠れしていましたが、義父は夫の提案を嬉しそうに受け入れ、結果全員で庭掃除をすることに。

作業中何度も、
「疲れたでしょ? 休みましょう。仕事もあるのにごめんなさいね」
と夫を気遣う義母に唖然としつつ、義母の本音が【息子は宝物、嫁は無料の働き手】 であることを改めて認識したのでした。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。