先輩ママからの意外なアドバイス
そんな迷えるA子を救ったのは、先輩ママの一言でした。
彼女は転勤族で、3人の子どもがそれぞれ異なる幼稚園に通った経験があります。
「のびのび系でも、きっちり系でも、実は園のタイプ自体はそこまで重要じゃないよ」
A子が驚いた表情を浮かべる中、先輩ママは続けます。
「一番大事なのは、先生たちが子どもに愛情を持って接してくれるかどうか。どんな方針の園でも、先生が温かい心で見守ってくれる場所なら子どもは伸び伸び育つわよ」
この言葉にA子はハッとしました。
それまで園の方針やカリキュラムばかりに目を向けていたけれど、「娘が自然体で過ごせる環境」とは、もっと先生たちの温かさや接し方が大切なのではないか、と考え直すようになったのです。
娘が笑顔になる場所探し
夫婦で改めて話し合い、「娘が楽しめる場所を見つけよう」と方針を共有。
そこからA子は、先生の子どもへの接し方や、娘の反応に注目しながら複数の園を見学しました。
その中で、夫が気に入った知育重視の園に体験入園する機会がありました。
普段は人見知りな娘が、そこでは笑顔いっぱいで遊ぶ姿を見せてくれたのです。
この瞬間、A子と夫は「ここなら娘も楽しく過ごせる」と確信し、夫婦で納得してその園を選ぶことにしました。
選択肢を絞り込む中でA子は気づきました。重要なのは、「親の理想」に娘を当てはめるのではなく、娘が自然体でいられるかを見極めること。
そして、何よりも「園の先生たちが子どもにどう向き合ってくれるか」が鍵だということです。
困ったときは「人」を見る
現在、小学生になった娘は、いまだに幼稚園の先生たちが大好きで、時折会いに行くほどです。
あのとき、「娘が自然に笑顔を見せる場所」を探し当てられたのは、夫婦で丁寧に見学を重ね、園の先生たちと直接話す機会を持ったからだとA子は振り返ります。
幼稚園選びに正解はありません。
ただし、施設や方針だけでなく、先生たちの人柄や、子どもがどんな表情を見せるかをじっくり観察すること。
それが、親が子どもに合った園を見つけるための最初の一歩なのかもしれません。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。