みなさんは「フキハラ」という言葉を知っていますか?
不機嫌ハラスメントの略語で、一般的には不機嫌な態度を周りの人にぶつけて嫌な思いをさせたりする行為のことを指す行為です。結婚後に豹変する夫に多いそうですよ。
これは夫からのフキハラに悩まされた弘子さん(仮名)に聞いた話です。

第一印象が良かった夫

会社の同僚だった夫の裕司(仮名)の第一印象は、「まじめで努力家な人」でした。

仕事の業績を上げるための情報分析は怠らず、常に新しい知識を身に着けていました。

かたい印象とは違い、話をしてみると周りの人をグイグイ引き込むくらい話題が豊富で、コミュニケーション上手でした。

裕司の第一印象と人柄との違いに、私はひかれていったのです。

幸せな2人だけの生活

1年間の交際を経て、私たちは結婚しました。

交際期間中も新婚時代も私たちはたくさん話をして一緒に笑い、2人でいろいろな場所に出かけて毎日が幸せな時間であふれていました。

子どもを授かり私が妊娠している間も、私の体調を気遣って家事を手伝ってくれました。

私は子どもが生まれても、この幸せな生活が続いていくと思っていたのです。

不機嫌になる夫

私は無事に出産し育児が始まりました。

産休が終わり仕事に復帰すると育児と家事と仕事で、毎日が目が回るような忙しさでした。

当然ですが裕司と2人でゆっくり過ごす時間は少なくなりました。

子どもが生まれる前は家事を手伝ってくれていた裕司は、私が泣いている子どもを一生懸命抱っこしてあやしている隣で「俺のごはんまだ?」「早くお風呂沸かして」と、次々と要求し私を追い詰めました。

「今は手が離せない」と答えると「どうせ俺は大切にされていないんだ」と不機嫌になり、いつまでも文句を言ったり、わざと大きなため息をついたり、部屋に引きこもるなど態度で示すのです。

私は「自分が至らないせいで裕司が不機嫌になってしまうのだ」とまるで自分が悪いかのように、自分を責めました。

裕司の機嫌が良くなるように自分の時間を犠牲にして、育児も家事を1人で背負い裕司が機嫌よく過ごせるように一生懸命尽くしたのです。

フキハラ夫はいらない

子育てをする中で私はふと気づいてしまいました。

自分の思い通りにならないと自分の感情をコントロールできない裕司は、精神的に幼いままなのではないか。

出産前の2人だけの生活の時はすべてが裕司が1番でした。

子どもが生まれたことで自分を1番にして欲しいという承認欲求が満たされず、フキハラ三昧の裕司。

精神的に成長できない裕司とこの先も結婚生活を続けていくのは無理だと感じ、離婚を言い渡しました。

自分の人生を大切に生きていくためには、夫という名の子どもは必要ないと強く感じています。

【体験者:30代・会社員、回答時期:2024年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。