知人のA子は、家事に協力的な夫に感謝している一方で、どこか釈然としない気持ちを抱えていたそう。今回は、A子から話を聞きました。
好きなタイミングで家事を引き受ける夫
共働きで忙しいA子夫妻。
結婚当初から家事は分担しようと話し合い、夫も自分なりに頑張ってくれています。
ただし、好きなタイミングで好きなことだけ、という条件付き。
中でも夫は食洗機に食器を並べるのが「得意」だそうです。
夫の自信と妻の本音
ある日、夫が得意げにこう言いました。
「A子、ほんと並べ方雑だよね。俺みたいにやればもっと入るのに。性格出るよな」
その一言にカチンときたA子。
実際には夫の並べ方にも問題が。
ぎゅうぎゅうに並べるために洗い残しはあるし、食べ残しを落とさずに食器を入れるため、トマトのヘタが食洗機に詰まってしまうこともしばしば。
結局それを片付けるのはA子の役目でした。
それでも普段は家事をしてくれたときは「ありがとう」と伝えていたのです。
大惨事が明かした夫の「完璧」の実態
そしてある日、大事件が起きました。
夫が「これが完璧な配置だ!」と自信満々で並べたグラスが、洗浄中に割れてしまったのです。
ガシャーンという音とともに沈黙が訪れ、慌てて片付けを始める夫。
A子はその姿を見ながらこう言いました。
「水がちゃんと回るように入れないと、こうなるんだよね。性格、出るよね」
夫はその一言に黙り込みました。
その後は考えを改め、食器を並べる前に食べ残しをしっかりとり、ぎゅうぎゅうに詰め込むのをやめ「俺流アドバイス」も控えるようになったのです。
すれ違いを減らす家事分担とは
今回の出来事で、A子はちょっとだけ反省しました。
夫から「性格出るよな」と言われたことが妙に引っかかり、つい同じセリフでやり返してしまったことが心にひっかかっていたそう。
とはいえ、皮肉の一撃と大惨事が夫の考えをかえるきっかけにはなったようです。
家事分担は言葉にすれば簡単そうですが、実際にはお互いの「やり方」や「こだわり」の違いで、意外なところでぶつかることが多いものです。
今後は、お互いの気持ちを尊重しながら、もう少し具体的に「こうしてほしい」と伝えたらもっとスムーズに家事を分担できるかもしれませんね。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。