特に、姑が思ったことをすぐに口にしてしまうタイプだと、精神的に疲れてしまうこともあります。今回は、結婚2年目のA子が、姑の関係に悩みながらも乗り越えた体験談をご紹介します。
姑との距離が近くなって感じたモヤモヤ
A子は夫の転勤で姑の家の近所に引っ越すことになりました。
それまでも、姑からの頻繁な連絡やプライベートに踏み込んだ質問に悩まされていたA子。
「物理的に近くなるってことは、干渉がもっとひどくなるかも……」と、不安な気持ちは募るばかり。
案の定、引っ越してからというもの、姑からの連絡はさらに増加。
「今日はどこに行ってたの?」「夕飯は何を作ったの?」と細かいことまで聞かれる日々に、A子は気が抜けないような息苦しさを感じていました。
次第にストレスは溜まる一方で、「どうしたらいいんだろう」と途方に暮れていました。
心が折れそうになる姑の何気ない言葉
そんな中、A子の父親が進行性のガンであると診断されたのです。
幼いころに母親を亡くし、父親と二人三脚で生きてきたA子にとって、それは言葉にならないほどの悲しみでした。
その後、姑にも事情を伝えたA子。
しかし、そこからの姑の対応がさらに心を疲れさせます。
「お父さん、大丈夫? 退院の見込みはあるの?」と無神経な質問を何度もしてきたり、「ガンってことは、ある意味では周りも準備が出来る病気だから気持ちの整理をつけやすいって聞くけど、そうじゃないの?」
なんて言葉まで飛び出したのです。
悪気がないのは分かっていても、これ以上の言葉を聞くのが耐えられなくなったA子は、次第に姑との会話に恐怖すら覚えるようになっていきました。
思い切って伝えた「もう無理」の気持ち
そんなある日、姑から「私の誕生日会には必ず来てね!」としつこく誘われたA子。
「父のことで頭がいっぱいなのに、誕生日を祝う気分にはなれない」と心が限界に達し、ついに夫に「1人で行ってきて」とお願いしました。
夫もその提案を了承したものの、姑はなおもしつこくA子を説得しようと電話をしてくる始末。
そして、ついにA子の感情が爆発。
「今父のことで頭がいっぱいで、今の精神状態では誕生日会に出席するのは無理です! いい加減わかってください!」
と涙ながらに訴えました。
この瞬間、A子は初めて姑に自分の本音をぶつけました。
心配してくれていたのかもしれませんが、その言葉を聞いて、姑もようやく自分の言葉がA子を傷つけたことに気づき「ごめんなさいね」と謝罪。
それ以降、姑からの連絡はピタリと止み、A子は父親との大切な時間を静かに過ごすことができました。
自分の気持ちを伝えることで変わることもある
この経験から、A子は「自分の気持ちをちゃんと伝える大切さ」を実感しました。
何も言わず耐えるだけでは、相手に自分の苦しさは伝わらないと。
今回、A子が涙ながらに本音を伝えたことで、姑も自分の行動を見直すきっかけを得られたようですね。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。