中学校
私の息子は、小学3年生から6年生までの3年間、イジメが原因で不登校になってしまいました。
フリースクールなどを経て、中学校からは別の学区へ進学することに。
3年間のブランクを乗り越えて、何とか頑張って登校していました。
しかし、夏休み明けのある日、急に「学校へ行きたくない。」と言い出して、部屋から出て来なくなってしまったのです。
担任のK先生
息子のクラスの担任のK先生は、入学当時から息子の状況を知った上で見守ってくれていて、私にも定期的に報告をしてくれたり、息子に励ましの言葉をかけてくれたりしていました。
私が連絡用のツールで欠席を報告し、理由の欄に「学校へ行きたくないと言い出した」と記入したところ、K先生がお昼前にわざわざ我が家へやって来てくれたのです。
きっと授業の合間に見に来てくれたんだと思うのですが、「息子さんと2人で話をさせてください。」と言うので、息子の部屋の前でK先生が語り掛ける格好に。
しばらくすると、息子も部屋から出てきて、3人で話をすることになりました。
最強の味方
息子は、ポツリポツリと不安に思っていることや嫌な思いをしたことなどを話し出しました。
すると、黙って聞いてくれていたK先生が「友達100人できるかなって歌があるけど、全員に好かれるなんて言う人はいないんだぞ。お前には俺が付いてる。難しいこと考えずに学校へ来い。」と言ってくれたのです。
この言葉を聞いた瞬間、息子はホッとしたように息を吐いて、顔つきがガラッと変わりました。
K先生の力強い言葉は、私や夫がかける言葉よりも、息子が欲しかった言葉だったのかもしれません。
感謝
いくら担任の先生とはいえ「俺が付いてる」と言い切ってくれた先生は今までいませんでした。
息子は次の日からまた登校できるようになり、いつも通りの生活に戻れました。
今回のK先生の言動には、息子だけではなく、私も救われた気持ちです。
学校という親の手の届かない時間を、安心してお任せしたいと思える出来事でした。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。