雪国出身の私
30代のAさんは雪国出身。豪雪地帯と言われる場所で育ったAさんにとって、冬は雪があるのが当たり前でした。そんなAさんは結婚し、たまにしか雪の降らない地域に嫁いできました。
現在暮らす地域では、たまに数センチの積雪があっただけで周囲は大慌て。その様子を見てAさんは内心「このくらいの雪で大騒ぎするなんて……」と少しバカにしていました。
「雪国出身の私なら、このくらいの雪どうってことないわ!」と思っていたのです。
珍しい大雪
Aさんが結婚して数年が経った頃、この地域にしては珍しく大雪が降りました。大雪といっても30センチの積雪。豪雪地帯出身のAさんにとっては珍しいものでも何でもありません。
珍しく雪が降り積もり白くなった街に、夫や近所の人たちは大慌て。大げさに着込んだり、スノーブーツを出してきたりして、必死に雪に備えています。
Aさんは「このくらいの雪たいしたことないわよ」と思いながら、普段通りの装備で出かけていきました。雪道に慣れた自分なら、雪道ですべって転ぶことはないと思い込んでいました。
雪道で大失敗! 転んで骨折
普段通りのスニーカーで出かけたAさん。「雪道なんて余裕!」のはずでしたが、家を出てすぐのところで転んでしまいました。
多くの人に踏み固められてツルツルになった路面に足を取られたAさん。雪道に慎重になることなく大股で歩いていたため、勢いよく転んでしまいます。
とっさに手をつこうとして、手首を骨折してしまいました。
「いたーい!」Aさんの叫び声に気がついた夫によって、病院に連れていかれたAさん。雪道に油断していたことを夫からも医師からも怒られてしまいました。
雪国出身の大いなる思い違い
Aさんは雪道で転んでしまったことで、これまでの自分の言動を反省。雪国で育った子供時代、Aさんが雪が降っても余裕でいられたのは雪国の環境のおかげでした。
雪国では大雪が降っても除雪をしてくれる環境や、雪用の靴が一般家庭にも普通にありました。決してAさんの身体能力が優れていたから雪道で転ばなかったわけではなかったのです。
雪の恐ろしさを痛感したAさんは、今後は雪道を油断せずに歩くことを決意。雪を恐れる周囲の人々をバカにすることもやめたそうです。雪道は誰にとっても危険なものなのです。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。