核家族が主流になっている現代では、2世帯同居に抵抗を覚える人も多いのではないでしょうか? しかし、同居を当然のように思う親世代もまだまだ存在するようです。今回は結婚したばかりの友人が話を聞かせてくれました。

同居を勧める義両親

新婚生活が始まって数ヶ月。私の心には早くも影が差していました。それは、夫の両親からの「同居」へのプレッシャーです。

結婚前から薄々感じてはいたものの、結婚した途端、義両親からは具体的な提案が矢継ぎ早に繰り出されるようになりました。
「広い土地があるから、2世帯住宅を建てようか」という義父からの提案も、私には悪夢の始まりにしか思えませんでした。
都会で生まれ育ち、1人暮らしの自由さに慣れていた私にとって、プライバシーのない生活は考えられなかったのです。

息が詰まる毎日

続いて義母からは「いきなり同居に抵抗があるなら、うちの近くにアパートを借りて、毎日ご飯を食べに来なさい」と笑顔で提案されましたが、毎日顔を合わせ、義両親の価値観に沿って行動することを考えただけでも、息が詰まる思いでした。

仕方なく、夫を通して「同居は難しいです」と伝えましたが、それ以来毎日義母から電話がかかってくるように!

「嫁のくせに生意気だ」「私達を嫌っているのか」と、まるで私を悪者にするかのような言葉が浴びせられ、私の精神はすり減っていく一方でした。

親戚にも辛く当たられ……

夫の実家に行った際には、いつのまにか親戚の人達もやってきて、同居を渋っていることを説教される始末。
次々と繰り出される非難の言葉、義両親に同調する親戚達……まるで集団攻撃のようでした。

夫も板挟みで苦しい様子でしたが、このままでは自分の心が壊れてしまいそうでした。どうしても譲れないと思い、「悪いけど、とてもじゃないけどあなたの両親との同居は考えられない。こんなことされて一緒に住みたいと思えるわけがない」とハッキリ宣言!

義両親の反対は想像以上に強く、何度も話し合いが持たれましたが、私の意思は揺るぎませんでした。

自分の希望を貫いて

結局、私達は義両親の反対を押し切り、義実家から遠く離れた場所で新生活を始めることにしました。

その後も義両親との関係は冷え切ったままです。
しかし、あの時、自分の意思を貫き通したからこそ、今の穏やかな生活があります。

もしもあの時、義両親の押しに屈して無理に同居していたら……と想像するだけで、背筋が凍る思いです。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。