クリスマスプレゼント
昨年のクリスマスのことです。
当時、小学生の息子が欲しがっていたゲーム機をクリスマスプレゼントとして購入しました。
購入先は近所にある家電量販店。
見つからないようにコッソリと買いに行き、クローゼットに隠しておきました。
その頃の息子は、サンタクロースがいると信じていて「サンタさんに食べてもらうんだ♡」と枕元に牛乳とクッキーを置き、準備は万端。
私は寒い夜中に起きて牛乳とクッキーを食べ、枕元にプレゼントを置いて次の日の朝を楽しみに眠りについたのです。
サンタさん?
次の日の朝、息子の部屋から「やったー!」という声が聞こえてきました。
息子はすぐにプレゼントを抱えて私のところへ来て、「ママ! サンタさんがくれた!」と大喜び!
「開けても良い?」と言うので、「何だろうね? 見てみれば?」と言うと、早速開封。
すると、息子の動きが急に固まってしまいました。
「どうしたの?」と聞くと、息子が怪訝な顔をして「ママ。サンタさんって、Y電機でプレゼント買うの?」と言ったのです。
落とし穴
プレゼントの箱をよく見ると、中に保証書が入っていて、近所の家電量販店のスタンプが押してありました。
これは完全に盲点で、値札などは剥がしてもらったのですが、保証書までは気が回らなかったのです。
息子は「ねぇ、サンタさんって本当にいるの?」と言い出しました。
夫が「もういいだろう。」と言って、サンタさんは私たちだったと話をする羽目に。
欲しいプレゼントをもらってとても喜んでいたはずなのに、息子は何となくションボリしてしまいました。
今年は……
思わぬ形でサンタさんがいないことがわかってしまった息子。
しかし、どこでそんな知恵をつけたのか、先日「今年のクリスマスはサンタさんに何もらおうかなぁ。」と言い出しました。
夫が「おい、サンタさんはいないって話しただろう?」と言いましたが、息子はニヤニヤ。
「ちょうどスマホが欲しかったんだよねぇ。」と呟く息子を見て、夫と2人、思わず苦笑いをしてしまいました。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。