父が亡くなり、一人暮らしはさみしいという母のため、弟が実家に戻り母と同居することに。
私の実家はすこし高台にあり、家の前まで、車で行くことができないため、大きな荷物を運ぶことは高齢の母には難しいことでした。
父の死後、弟が実家へ戻ることに
父が闘病の末に亡くなり、残された母。
私はシフト制の仕事をしており、生活リズムが不規則なため、母と暮らすのは難しい状況。
「一人で食事をするのがつらい」という母の言葉に、定時の仕事を持つ弟が実家に戻り、母と同居を始めました。
今までは、父の病院も母の買い物も全て私が担当していたのですが、弟と私で役割分担をする形になり、日常の用事は弟、母の通院や買い物は私が担当と暗黙のルールができました。
母の買い物リクエスト
しかし、買い物に行くたびにモヤモヤが募るのです。
母は「なくなると困るから」 とティッシュやトイレットペーパー、洗剤など、かさばる日用品を山のように頼んできます。
私は原付バイクに荷物を積み、前かご・後ろかご・足元まで満載にして、坂道を上るのが毎回大変です。
「弟に帰りに買ってきてもらったら?」 と母に提案したこともありますが、返ってきたのはこんな言葉でした。
「男の子に頼むのはかわいそう。駐車場から持って歩くのは恥ずかしいだろうし、仕事で疲れてるしね」
母の価値観が生む負担の偏り
確かに弟は忙しいですが、実家に行くたびに弟宛のネットショッピングの荷物が届いているのを目にすると、複雑な気持ちになります。
弟は車もネットショッピングも使えるのに、なぜ私だけがこんなに負担を抱えるのか。
「あなたの方が気が付くから。頼れるのはあなただけ」と母は言います。
確かに気が利く方かもしれませんが、弟にもできることはあるはず。
やらないと分からないこともあると感じる私は、坂道を登るたびに荷物以上の重さを背中に感じています。
背中に重さを感じながらも、消えないモヤモヤ
意を決して弟に話すと、
「俺も使うものだし、言ってくれれば一緒に注文するし、買って帰るよ」 と言ってくれました。
それでも母は、「男の子に頼むのはかわいそう。当てにならない」 と持論を展開します。
母の価値観が変わることはなさそうで、このモヤモヤが消えることはありません。
坂道を登るたび、これ以上の頼みごとが増えないことを願うばかりの日々です。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。