10万円の請求!?
ある日、息子のスマホ料金を見た私は、愕然としました。
「じゅ、10万円!? 一体どういうこと!?」
「お母さん、ごめんなさい……」
縮こまりながら謝る息子に説明をさせると、人気オンラインゲームにはまりこんでしまい、レアアイテムを手に入れるために、課金が止まらなくなってしまったとのことでした。
こんな金額になるまで自制することができなかった息子に危機感を覚えた私。
このタイミングで、厳しくお灸を据えなければ、お金の重みや使い方がわからない大人になってしまうかもしれません。
アルバイト制度とペナルティ
「この10万円は、一度お父さんとお母さんが立て替えてあげる。でも、家のお手伝いをして必ず返してもらうわ」
夫と話し合った私は、家の中での疑似アルバイト制度を作り、手伝いに応じて息子に報酬を渡すことにしました。
返済が終わるまで、お小遣いもゲームもなし、というペナルティ付きです。
息子は驚き、やや不満気な表情を見せましたが、さすがに自分が悪いと自覚しているのでしょう。
しぶしぶと頷き、翌日から掃除や洗濯、料理などを手伝い始めることになりました。
ゲームとは違う達成感
最初こそ慣れない家事に戸惑った息子でしたが、次第にできることが増えていきました。
「家族のために何かできるって、なんだか嬉しいかも。――ちょっとクエストをこなしている感じもあるかな?」
「ゲームとは違う達成感があるんじゃない?」
お金を稼ぐことの大変さや、家族への思いやりなど、家事を通して学んでいる様子の我が子を見て、私たち夫婦は嬉しくなりました。
返済完了した息子の言葉
半年かけて、息子は10万円分の家事を終えました。
「お手伝いは続けるよ。僕が一瞬で使ってしまった10万円を稼ぐのが、どれだけ大変なことかがわかったし、この金額の何倍もかけて自分を育ててくれているお父さんとお母さんは凄いと思った。家族の一員として、自分もできることをやります」
思わぬ息子の言葉に、私は思わず彼を抱きしめてしまいました。
まとめ
息子はもう、お金の価値が十分に分かったと思います。
これからは、ゲームもきちんと自制しながら遊べることでしょう。
子育てをしていると、時として予期せぬ出来事に直面します。
でも、失敗こそ子どもの成長のチャンスになりうることを、改めて実感しました。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。