昼のファミレスで
Yさんは当時ダイエットをしていて甘いものを控えており、月に1度だけチートデイを設けてファミレスで大きなパフェを食べるのを楽しみにしていました。
ある日Yさんは待望のチートデイを迎え、行きつけのファミレスでチョコレートパフェを注文。朝から何も食べていなかったため、わくわくしながらパフェを待っていました。
週末のお昼時ということもあり、Yさんの周りは家族連ればかり。あちこちから賑やかな子どもの声が聞こえています。
「お待たせしました、チョコレートパフェです」
いよいよ待ちに待ったパフェが到着し、Yさんはわくわくしながらスプーンを手に取りました。
「ママー、僕もパフェ食べたい!」
隣りの席の子どもが、Yさんのパフェを見て大きな声を上げました。
子どもがパフェを欲しがって……
「パフェは頼まないよ、ほら早くご飯食べちゃいなさい!」
母親が子どもをたしなめます。
「えー、やだやだ! パフェじゃなきゃ食べない!」
Yさんは「大変そうだな」と思いつつ、楽しみにしていたパフェを食べ始めます。
「あのー」
パフェを味わっているYさんに、突然隣りの席の母親が声をかけてきました。
「あなたがこんな時間にパフェを食べるから、子どもがご飯じゃなくてパフェを食べたがるんですけど」
「はい?」
Yさんは突然のことで、何を言われているのか意味を理解できませんでした。
「だからー、昼時にそんなものを食べるのは非常識でしょ? どっか他のとこに移動してくれません?」
多少イラついた様子の母親をよそに、子どもはじっとYさんのパフェを見つめています。Yさんはわざと大きくソフトクリームをひとすくいして口に入れました。
「ちょっと、聞いてます!?」
ますますイラついた様子の母親に、Yさんは仕方なく答えました。
「誰が何時に何を食べようと自由です。目に入るのがイヤならそちらが席を替えて貰ってください」
そしてパフェに集中するため、一切隣りの席を見ずにパフェを食べ始めました。
「わあああん! パフェ食べたい食べたい!!」
隣りの席では子どもが大泣きして、結局母親は怒りながら違う席に移動したそうです。
子どもが欲しがるなら、親が自ら子どもに言い聞かせるのが親の役目であるはず。子どもを納得させるのが大変なのはわかりますが、人に席を移動させるのはちょっと理不尽ですよね。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。