ですが、時代に合わせて変えていったほうが良いものもあるのではないでしょうか。
「これが自分たちのやり方だから」と、古いやり方にしがみついては合理的でないこともあります。筆者が友人のMさんからこんな話を聞きました。
なり手がみつからないPTA役員
私が息子の小学校のPTAの役員を引き受けた時の体験談です。
毎年のことですが、PTA役員のなり手が見つからず、推薦委員をしているママ友が困っていました。
引き受ける気はなかったのですが、仲良しのママ友の頼みを断りきれずに引き受けてしまいました。
会長や副会長は荷が重く、会計はお金を扱うのが不安だったので、書記ならば良いだろうと引き受けたのです。
議事録はその場で聞きながら文字起こし
私が書記になって驚いたことがありました。
なんとPTA総会や会議の議事録は、その場で手書きで文字起こしをしなければならないというのです。
学区の小学校のPTA役員との交流会で他の学校の書記に聞いても、そのようなやり方をしている学校はひとつもありませんでした。
もう一人の書記の先輩役員のYさんに
「録音しておいて後から文字起こししてもよいのでは?」
と尋ねてみると、こんな返事が返ってきたのです。
「このやり方がうちの小学校の長年の伝統であり、代々みんなこうしてきた」
伝統は変えられないの一点張り
「後から聞きなおして間違いも訂正できるから、録音のほうが良いのではないか」
と提案しても、
「これがわが校のPTAの伝統」
の一点張り。
Yさんは4人の子どものママで、この小学校には足掛け10年以上関わり、PTA役員を何度も経験しているいわばボスのような存在です。
Yさんの他にも前年度から繰り越して引き受けている役員が多く、みんな言うことは一緒で
「長年の伝統は変えられない」
私は仕方なく古いやり方に従い、PTA総会や会議ではひと言も聞き洩らさないように、必死に手書きで議事録の文字起こしをしました。
時代に合わせて負担が少ないやり方にチェンジ
伝統にしがみつく古いやり方では、PTA役員のなり手がいないのも頷けます。
このままではいけないと思った私は次年度も書記を引き受け、レコーダーで録音してから議事録の文字起こしをするように変えました。
今までの役員が築いてきた伝統も大切かもしれませんが、時代に合わせて負担が少なく参加しやすいPTAにしていくことが大事ではないかと思います。
【体験者:40代・パート、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。