子供の陸上クラブの送迎
夏に子供が習い事で陸上を始めました。春の運動会で悔しい思いをしたこともあり、子供が自分で探してきた陸上クラブでした。
普段の練習は夕方。始めたばかりの夏は日が長いこともあり、練習は明るいうちに終わっていました。親は見ているだけだったし、子供は「お母さんが見ているとプレッシャーになる」と言うので、送迎だけするように。
特段それで困ったことは起きず、子供ものびのび練習できているようでした。
真っ暗なグラウンドで気付いた、保護者の役割
そして季節は秋になりました。日が短くなってだいぶ経ったころ、ある日私は早めにお迎えに行きました。
すると、真っ暗なグラウンドにスタンドライトが設けられ、陸上トラックにも明かりが灯されていたのです。そして、それを準備・片付けしていたのは保護者だったと気付きました。
何もせず送迎だけをしていた自分は、他の保護者に対して申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいになりました。子供が真っ暗な中走れていたのは、保護者が明かりを準備して、環境を整えていたからだったのです。
私はまったく気付きませんでした。
子供たちの走りを支える親の力
子供はいくつか習い事をしていますが、送迎だけで済むものがほとんどでした。スイミングや体操は先生がいるし、月謝も払っているので、基本お任せで済んでいました。
でも、この陸上クラブは、保護者のボランティアで成り立っているとそのとき理解したのです。最初は、今まで何も気付けなかった自分の無関心さに恥ずかしくなりました。でも、だからといってそのまま任せっきりにしていては、申し訳ない気持ちから抜け出せません。
思い切って準備に参加してみると、私の気持ちは軽くなり、他の保護者とも会話が増えました。あのとき気付いて行動できて、本当に良かったです。
【体験者:20代・会社員、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。