恩を感じ、義母の言いなりに
私が反抗せずに言う事を聞くので、義母の要求もだんだんエスカレートしていきました。
私は事務職のパートをしていたのですが、ある朝、突然義母から電話がかかってきます。
「今日、病院に行きたいから車を出してちょうだい。あ、その後に買い物も付き合ってね」
「お義母さん、今日は仕事が……」
「あら。あなたがあんなに大変だった時、私は仕事を休んでまで助けてあげたのにねぇ」
そう言われると、もう何も言えません。当日欠勤を繰り返し、パート先で謝罪する日々。夫に相談しても「母さんには散々世話になったんだから、恩返しは当たり前だろ」と取り合ってくれませんでした。
私は、誰にも頼れない孤独と板挟みの苦しさに、ただ耐えるしかありませんでした。
私を救ってくれたのは
ある休日、またしても義母が「今すぐ車を出して」と無理難題を押し付けてきました。困り果てている私をよそに、夫は相変わらずの知らんぷり。
すると、悩んでいた私を見かねたのか、いつも温厚で大人しい息子が、義母と夫に反論したのです。「いい加減にしてよ! ママにばかり押し付けてないでパパがやりなよ! 自分の親でしょ?」
息子は驚く義母と夫を真っ直ぐに見据えて続けました。
「おばあちゃんだって、山登りに行けるくらい元気なんだから、病院くらい自転車で行けるじゃん! タクシーっていう手もあるでしょ? パパがおばあちゃんの味方をするなら、僕は絶対にママの味方だよ!」
大好きな孫にガツンと言われた義母はショックで意気消沈し、夫は初めて反抗してきた息子にびっくり!
まさか息子が、私の苦しみを見ていてくれたなんて。私のために、あんなに強い言葉をぶつけてくれるなんて。それと同時に、涙が出るほど嬉しくて思わず息子を抱きしめました。
それ以来、義母からの無理な呼び出しは少しずつ減り、夫もわずかですが家事に関わるようになりました。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2024年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kato Rira
シナリオライターとして活躍するも、出産と育児を機に、フリーライターに転身。バリキャリから、家庭と仕事の両立への転換を経験し、その思いをコラムに執筆。現在はママ、PTA、職場と家庭のバランスなどを主なテーマにコラムを執筆中。