玉の輿希望のA子
友人のA子は20代。キラキラした瞳で、いつも「玉の輿に乗りたい」と口にしていました。
大学卒業後、某企業に就職しましたが、結婚相手探しに躍起になっていた彼女にとって、会社は出会いの場の1つでしかなく、適当に仕事をこなす日々でした。
そんなA子のレーダーに、ある人物が引っかかります。
A子の会社の取引先の社長で、40代後半のN氏です。既婚者ですが大人の魅力と経済力があるN氏は、A子にとってまさに理想の相手でした。
「妻子持ち? 問題ないわ。私のことを好きになったら離婚してくれるはず♡」とA子は自信満々でした。
猛アタック開始!
そこから、A子の猛アタックが始まりました。
N氏の好みをリサーチし、会話の糸口を探り、隙あらばボディタッチ。計算し尽くされたA子の行動に、N氏は徐々に心を奪われていきます。
やがて、2人は不倫関係に。
N氏はA子に、高級ブランド品や海外旅行など、惜しみなくお金を使いました。まるでパパ活のような生活に、A子はますます玉の輿への期待を膨らませます。
「この調子なら、略奪婚も余裕でしょ♪」そう確信したA子は、あっさり会社を辞めて、社長に養ってもらう道を選びました。
優雅な日々が続くと思っていたのに
N氏が所有する高級マンションで暮らし、欲しいものは何でも手に入る、セレブ妻気分を満喫していたA子。
しかし、そんな生活を続けるうちに、徐々にN氏の身辺が明らかになってきました。スマホに届く、他の女性からのメッセージ。N氏の口から漏れる、別の女性の名前……。
最初は気のせいだと思っていましたが、次第に確信へと変わっていきます。N氏は、A子のような女性を何人も抱えていたのです。
将来への焦りと不安
A子の世界は音を立てて崩れ去りました。N氏にとって、A子はただの遊び相手の1人に過ぎなかったのです。口先だけ優しいことを言って、実際は離婚も再婚も考えていないことは明白でした。
「結婚できると思っていたのに」甘い夢から覚めたA子は、急に自分の将来に恐怖を感じ始めました。N氏に捨てられたら、どうすればいい? 歳だけとって、何も残らなかったら……?
しかし、後悔先に立たず。会社も辞めてしまった今、A子は焦燥感に駆られ、必死に仕事を探しています。
華やかな世界から転落したA子の現実は、あまりにも厳しいものでした。
【体験者:20代・女性、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。