ある日、母親の発言をきっかけに、これまで気づかなかった母親の理不尽さや身勝手さを痛感しました。
一体、どんな出来事があったのでしょうか?
そしてA子が下した決断とはどのようなものだったのでしょうか。
A子から話を聞きました。
自由奔放な姉、母の期待を一身に背負った私
A子には3つ上の姉がいます。
姉は幼い頃から自由奔放で、わがまま放題。
中学、高校ではさらにエスカレートし、親の言うことを聞かず、彼氏の家に入り浸り無断外泊を繰り返す日々でした。
一方のA子は、母親から「あなたが唯一の希望だ」と涙ながらに言われ、期待を一身に背負い、母親の望む道を最優先に生きてきました。
恋愛は20歳まで禁止。高収入の職業に就くため、進路も決められていたのです。
「お姉ちゃんを見習いなさい!」母からの衝撃の言葉
現在、姉は3人の子どもの母となり、母親とはとても良い関係を築いています。一方のA子は仕事に励む日々。
そんな中、母親から「そろそろお姉ちゃんを見習いなさい! お姉ちゃんは子どもを産んで立派にしているのに、あなたは結婚もせず仕事ばかり!」と言われました。
その言葉を聞いて、A子は驚きと怒りを覚えました。
これまで母親の期待に応えるため、恋愛も制限され、隠れて付き合った彼氏とも無理やり別れさせられた過去があるのに、こんな言葉を浴びせるなんて。
さらには、「高収入の仕事以外認めない」と厳しく進路を制限され、多忙に追われる現在の職に就いたことが頭をよぎりました。
身勝手すぎる母の介護宣言
さらに追い打ちをかける出来事がありました。
母親は姉夫婦に新築戸建てと新車購入に多額の資金援助をしていたのです。
そのことを姉が「こんなに出してもらって嬉しいけど、老後の資金は大丈夫なの?」と尋ねたところ、「介護はA子に任せるから何も問題ないわ」と平然と答えたそう。
この一連の出来事に、A子は母親の身勝手さを思い知り、深い憤りを覚えました。
「いい娘キャンペーン辞めます」私の人生を生きる決意
母親も完璧な人間ではない、状況によって優先順位が変わるのは仕方ない、とA子は理解しているものの、許せない思いは消えません。
そして、A子は静かに決意しました。
今後、母親との連絡を少しずつ減らし、介護には一切関わらないことに決めたのです。
必要であれば、老人ホームへの入居を手配するつもりです。
母親への割り切れない思いはあるものの、自分の人生を自分の意志で生きていく。
それがA子のたどり着いた答えでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。