知人Aの話です。結婚記念日に訪れた高級旅館で、酔った夫が夕食に対してありえない発言を! そのおかげで特別な夜の雰囲気は一気に台無し! 結婚記念日が最悪の思い出となってしまったAから、何があったのか話を聞きました。

憧れの高級旅館に初宿泊!

Aは夫との結婚記念日を祝うべく、長年憧れていた高級旅館を訪れました。子供たちを義母に預けて、夫婦だけの特別な時間を楽しむ最高の計画! 到着した旅館は、まさに夢見た通りの美しい佇まい。Aの心は期待に溢れていました。

広々とした和室で、目の前には美しい庭園が広がる部屋に通された2人。「ねえ見てすごいよ! こんなステキな部屋に泊まれるなんて、私たちは幸せだね」とAが嬉しそうに言うと、夫も「頑張った甲斐があったな」と微笑み、2人は非日常の贅沢に酔いしれていました。

夫の一言で場の空気が一変

ゆっくりと温泉に浸かり、いよいよ夕食の時間。部屋に用意された豪華な懐石料理に、Aは思わず目を見張ります。どれもこれも繊細で美味しそう! Aは感動しきりでした。
色とりどりの料理を、ゆったりとした時間の中で味わう2人。「なんて最高の夜なのかしら」と、ウットリするA。しかし、そんな夢のような時間を壊す事件が起きてしまったのです。

いつもより早く酔いが回った夫は、少し頬を赤らめながら料理のひとつを口にしました。そして冗談のつもりなのか「これ、うちの近所のスーパーの惣菜にそっくりだな!」と言ったのです!

その場にいた仲居さんの表情が一瞬で変わりました。Aの心にも、まるで冷水を浴びせられたような感覚が広がっていきます。夫は相変わらずヘラヘラと笑っているだけです。

さっきまでの優雅な雰囲気は一気に崩れ去り、気まずい空気が流れました。Aはあまりのショックに、無言で箸を進めるしかありませんでした。

楽しみにしていた夜が台無しに

その後、食事はなんとか終えましたが、Aの気持ちは晴れません。夫は自分の発言がどれほど場の雰囲気を壊したか、まったく気づいていない様子なのも腹が立ちます。せっかく計画した旅行が、あんな一言で台無しになるなんて……。
Aは言葉にできない悲しみを抱えたまま、酔った夫を放置して布団に入ったのでした。

翌朝、夫が「ごめんな」と、ぼそっと謝ったものの、Aの心はすでに冷めてしまっていました。豪華な宿と絶品の料理も、ただの背景に過ぎなくなってしまったのですから。

【体験者:30代・主婦・回答時期:2024年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:N.tamayura
長年勤めたブラック企業を退職し、書くことを仕事にするためライターに転職。在職中に人間関係の脆さを感じた経験から、同世代に向けて生き方のヒントになるような情報を発信すべく、日々リサーチを続けている。