今回は筆者の知人から聞いた、娘の受験にまつわるエピソードをご紹介します。
受験シーズン
これは昨年の冬、絶対に忘れられない年越しにあった出来事です。
私は1人娘を育てるシングルマザー。
当時は、高校3年生の娘と2人暮らしをしていました。
受験シーズンということもあってか、秋ごろからピリピリとした緊張感が漂っていた娘。
「テレビの音大きい!」
「何回も言っているでしょ」
「とにかく静かにして!」
私は言われるがまま『とにかく娘の気を散らさないように』と気を遣って生活していました。
年末
大晦日、いつものごとく部屋に籠って勉強する娘。
「今年は独りで年越しかぁ」
と寂しい気持ちになりつつも、私は消音で年末の特番テレビを見ていました。
ぼーっとしているうちにいつの間にか除夜の鐘が鳴り始め、あと数分で新年を迎えようとしたとき……。
『ガチャ』と急に娘がリビングにやってきたのです。
「お母さんまたうるさくしちゃった?」
「ごめんね、静かにするね」
そう焦って伝えると、娘からは意外な反応が!
幸せな年越し
「年越しの前にお母さんに謝りたくて」
「毎日怒ってばかりでごめんなさい」
「いつもありがとう」
そう娘が照れながらも、素直に気持ちを伝えてくれたのです!
ずっと私への態度が冷たくなってしまうのを気にしつつも、どうしても受験でイライラして当たってしまっていたことを悔やんでいたと話す娘。
思いもよらなかった娘の本音に触れて、私は嬉しさのあまり、つい涙ぐんでしまいました。
その後は一緒に年越しの瞬間を迎え、久しぶりに娘ともいろいろな話ができました。
受験の結果
それからまた娘は受験に集中しはじめ、見事志望大学に合格!
今は県外で1人暮らしをしていますが、たびたび帰省しては一緒にお出かけするほど、親子関係は良好です。
娘が遠く離れた地で将来のために頑張っているので、私も娘に負けじとそれまで以上に仕事に励んでいます。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。