真面目なAさん、初めての育児
息子が結婚し、孫ができたAさん。孫を見ていると30年前の自分の初めての子育てが自然と思い出されます。
真面目な性格だったAさんは妊娠したことがわかると、たくさんの育児書を買い丁寧に読み込んでたくさん勉強しました。そして、自分なりの理想の育児を作り上げ、その通りに育児を実行していこうと思っていたのです。
理想通りに! 厳しい育児
実際に子どもが生まれ育児が始まると、育児書通りにいかないことも多くありました。しかし、真面目なAさんはなるべく理想通りにと、ミルクの回数や昼寝の時間などをきっちり守ったのです。
少し子どもが大きくなってからもAさんの真面目な育児は続きました。Aさんが特に大事にしていたのは礼儀面。挨拶をしなかったときには厳しくしかりましたし、食事のマナーに関してもきっちりと守らせました。
子どもが思い通りにいかないときは悩みましたが、厳しくしつけることが子どものためになると信じて真面目な育児を続けたのです。
真面目な子育ての結果
自分の信念通りの育児の結果、息子はしっかりとした大人に育ったと思います。しかしAさんは、自分の育児を振り返ってみたときに、楽しかった記憶よりも必死だった気持ちの方が勝っていると感じるのです。
「孫を見ているとただただかわいいという気持ちにさせられるのに、自分は我が子をこんなにもかわいいと思えていただろうか?」
◯◯すべきという考えに取り憑かれて、あまり育児を楽しめていなかったAさん。子どもが幼い期間なんてあっという間。もっとこの時期を楽しめばよかったなと思うのです。
先輩からのアドバイス、育児を楽しんで!
Aさんは今現在子育て中の息子夫婦を含め、すべての子育て中の人に「育児を楽しんで!」というアドバイスを送りたいと思っています。
子育て中は早く大きくなってほしいという気持ちもあるでしょうが、子育てができる期間なんてごくわずかです。
ただ泣くだけの赤ちゃんも、どう対処したらいいかわからないイヤイヤ期も、憎たらしい反抗期も過ぎ去ってしまえば2度とは戻ってきません。今しかできない体験を精一杯楽しんで乗り越えていってほしいと願っています。
【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。