愛する人を支えたいという思いから始まったお寺の住職さんとの結婚生活。でも、『何代も続くお寺』という重圧に応えられない自分に気付いたとき、罪悪感が私の心をむしばんでいって……。そんな体験談を友人が聞かせてくれました。

でも、私が結婚した相手は、歴史あるお寺の息子という事実。跡継ぎが生まれないというのは、大きな問題のように思えました。

私はお寺を途絶えさせてしまうというプレッシャーに押しつぶされ、毎晩涙を流して過ごしました。夫と話し合うこともせず、塞ぎ込んで、心を壊してしまったのです。

そして私が出した結論は、離婚でした。

自ら選んだ別れ

義父母も夫も、私の決断を責めることはありませんでした。心が壊れ、私だけがお寺に貢献できないという気持ちが抜けず、居心地が悪くなり、切り出した離婚でした。このつらい状況から抜け出す方法は、当時の私には離婚しか考えられなかったのです。

あれから何年も経って振り返ると、私は他人の期待に応えようと自分で自分の首を絞めて、私自身を犠牲にしてしまったと思います。もしかしたら優しい義父母と夫なら、気にしなくていいんだよと言ってくれたかもしれません。ですが私は、義父母や夫と話し合うこともせず、自分を責めて、縁を切ってしまいました。

問題が起きたとき、夫婦で納得するまで話し合うことは大切だと、今なら思えます。皆さんも何かあっても1人で苦しまず、周りに相談してみてくださいね。

【体験者:30代・会社員、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。