筆者の体験談です。
職場にお土産を持っていくのは楽しいものです。旅行が趣味の私は、出かけるたびに旅先で見つけた珍しいお菓子を探し、職場の皆に配るのが嬉しくてたまりません。
それまでは、お菓子は箱のまま、職場に設置しているお菓子ボックスに入れておき、特に細かい指示はしていませんでした。が、ある出来事がその慣例を変えることに……。

喜んでもらえるはずのお土産

旅行好きの私は、毎回、地元では売っていない限定お菓子を下調べして、職場へのお土産にと選ぶのが楽しみでした。

今回も、2時間並んで手に入れた高級なお菓子を同僚に配り、残りはお菓子ボックスに置きました。
私の職場はシフト制、全員に配布が終わるには数日かかるので、ボックスにまとめて入れておくことが慣例になっていたのです。

誰が見てもお土産用とわかる豪華な包装なので、
「私からのお土産です、一人一個ずつ取ってね」
とこれまで通り、暗黙のルールが伝わると思い込んでいました。

おかしな食べられ方の真相

数日後、お菓子の個数も減っていたため、感想を聞こうと声を掛けた同僚から、
「まだ食べていないよ」との返事が続出。

どうして? と疑問に思い、調べてみた結果、男性社員のAさんがボックスを通るたびに、何個もお菓子をつまんでいたことが発覚。

これには驚きとともに、笑うしかありませんでした。

食べたことに開き直るAさん

数日後、夜のシフトで一緒になったAさんに直接尋ねたところ、
「おいしかったです! 何個もいただきました!」
と明るい返答。

私は思わず、
「職場の人数分だけ買っていたもので、一人一個ずつのお土産だったんだよ」
と説明し、2時間並ぶ苦労話を交えながら、もうしばらくは買ってこれないかもと伝えました。
悪気はなかったのだろうとは思いますが、心の中にモヤモヤが残ってしまいました。

新ルールでトラブル防止!

この出来事をきっかけに、お土産のルールを改定することに。

箱には「一人一個ずつ」としっかり書き、取った人は名前を消す仕組みを導入。
さらに、お菓子を取るタイミングも業務に支障のない時間帯に限定しました。

「言わなくてもわかるはず」 が通じない現実を学んだ経験でしたが、それでもやはり、
「一人一個」 と見れば分かるだろうに……と今でも思わずにはいられません。ですが、それだけ美味しかったということでしょう。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。