これは、筆者が実際に体験した話です。妊娠後期の筆者が通勤電車で優先席に座った際、妊娠に気づかない男性から席を譲るように求められ、困ってしまった状況で近くの優しいおばあさんが助け舟を出してくれたエピソードです。おばあさんの温かい言葉に心救われた筆者の思い出をご紹介します。

満員電車でのささやかな安らぎ

妊娠後期の私は、満員の通勤電車で運よく優先席に座れました。歩きすぎたのか足も疲れていたので、少しでも休みたいと座った矢先、次の駅で一人の男性が乗り込んできました。

思わぬ一言に戸惑う妊婦の私

その男性は私の前に立ち、じっと見下ろして「若いんだから立てよ!」と強引に言ってきました。妊娠後期のためお腹が大きいと見たらすぐわかると思うのですが、膝の上に置いたカバンでお腹が隠れていたため、妊娠中だと気づかれなかったようです。言い返したくても、周囲の視線が気になり、恐怖心もあったため、どうしていいか分からず困っていました。

おばあさんの助け舟と優しい一言

その時、隣に座っていたおばあさんが男性に向かって「この子は妊婦さんでしょう。よく見なさい」と静かに言ってくれました。男性は本当に気付いていなかったのでしょう。ハッとした様子で私のお腹を見て、気まずそうに黙り込みました。その後、おばあさんが「大事な時期だから、お腹の子のためにもどうぞゆっくり休んでね」と微笑んでくれ、私はほっとした気持ちで席に座り続けることができました。

温かい気持ちに包まれた一日

男性にも悪気はなかったのでしょうが、おばあさんの助け舟と、さりげない優しさに救われました。私は、心が温かくなり、晴れやかな気持ちでその日を過ごすことができました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。