「ママはセンスないんだから! 」
私には、中学生の娘がいます。娘はファッションには人一倍うるさく、よく私の服にもダメ出ししてきます。
良かれと思って買ってきてあげた服に対しても、「え~、こんなのいらない! ママはセンスないんだから、買ってくれるときは私も一緒に行く!」なんて言われる始末です。
こんな風ですから、喧嘩になることもしょっちゅうなのですが、やはりどうせなら本人の気に入るもののほうがいいだろうと、その日は二人でショッピングに出かけました。
平成リバイバルファッション
店に入ると、娘が手に取った服がありました。
「あれ? 」
それは、一昔前の平成時代、私が若いころに流行ったようなデザインだったのです。
「そういうの、古臭くてダサくないの?」と聞くと、娘は首をぶんぶん振りました。
「こういうのが、逆に新しいんだよ!」
娘によると、今は平成リバイバルファッションが流行っているそう。
なるほど見回せば、店内には、どこか懐かしいデザインの服が多く置いてあります。
「そうなんだね。ママも昔、そういう服着ていたんだよ」と言うと、娘は興味深そうに目を輝かせました。
「本当!? 写真があったら見たい!」
昔のプリクラ
帰宅後、押し入れの奥を掘り起こしてみると、出てきました。当時のプリクラです。
「わあ、ママ、若いし可愛い! スタイルもいいし、今とは大違いだね!」
最後の一言は余計ですが(笑)、娘からの評価が上がったようで、私は鼻高々になりました。
今とは違うプリクラの感じも、娘の感性に刺さったようです。
「まだおばあちゃんの家に、昔の服があったと思うよ。今度いいものがあるか、探しに行く?」と聞くと、娘は嬉しそうにうなずきました。
時代を超えて
実家で見つけた私の服の数々を、娘はとても気に入ったようで、毎日のように着ています。
昔自分が着ていた服が、時代を超えて、娘世代にも愛されているのを見るととても嬉しく、なんだか感慨深いです。
これが「エモい」という感情なのかもしれないな、なんて思っています。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2023年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。