食事に文句をつける旦那
Mさんは当時結婚6年目。
結婚したばかりの頃、旦那さんはMさんが食事を作るたびに「おいしい」「いつもありがとう」と言ってくれていました。
しかし年月を重ねるにつれ、夕食の際にいつも「今日のメニューはショボいな」「全部茶色じゃん、地味で彩りが少ないね」などといちいち文句をつけるように。
「文句を言うなら食べなくていいわよ」
Mさんは旦那さんの文句に毎回そう答えていましたが、そろそろ我慢の限界。
なんとかして旦那さんをやりこめる方法はないか、考えるようになっていました。
思いがけない制裁
ある日、「いつも文句ばっかり言われるから」とMさんはかなり手の込んだ煮込み料理や彩りあふれるサラダなど、豪華なメニューを揃えました。
「へえ、今日はいいじゃん」
テーブルを見てご機嫌の旦那さんに、Mさんは心の中で「どうだ!」と思いました。
しかし料理を一口食べるなり旦那さんは渋い顔。
「んー、イマイチ。やっぱ素人の味だよね」
「はあ!? 素人に決まってんじゃん主婦なんだから!」
さすがに腹に据えかねたMさんは、以前から考えていた制裁を下すことにしました。
「え、今日のメシはこれ!?」
翌日仕事から帰宅した旦那さんは食卓の上を見て絶句。そこにはレトルトカレー・カップラーメン・冷凍チャーハンなど、温めればすぐに食べられる食品がずらりと並んでいたのです。
「さあ、開発のプロの味をどれでも召し上がれ!」
Mさんはどれが食べたいかを旦那さんに選ばせ、温めて出してあげました。
それは翌日、翌々日にも続き、最初は黙って食べていた旦那さんも3日目でギブアップ。
「俺が悪かった、君の手作りの料理が食べたい」
そう言って深く頭を下げたそうです。
旦那さんに悪気はなかったのでしょうが、毎日誰かに食事を作って貰っていることを当たり前だと思うどころか、文句をつけるなどもっての外ですよね。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。