不届き者発見！
私が営業先で遭遇したエピソードです。
先日、外回り中にバスの停留所でバスを待っていた時、後ろに並んでいる若い女性二人組の会話が聞こえてきました。
「足疲れちゃったから座りたい！ でも絶対いっぱいだよね～」
「これ使えばいいじゃん♡ 知り合いにもらったんだ～」
「え！ デキたの！？」
「そんなわけないでしょ(笑)」
明らかにマタニティマークを悪用して座ろうという内容で、私以外にも5人ほど乗車待ちの人がいたのですが、一様にドン引きした顔をしていました。
悪だくみを見てモヤモヤ……
バスが来て乗り込むと、案の定混雑していました。すると、さっきの若い女性が大きな声で独り言を言い出しました。
「座りたいな～。妊娠中だからすぐ疲れちゃって～」
と、バッグに付けたマタニティーマークをちらちらさせて男性の前に立ち、席を譲ってもらおうと圧を掛けだしたのです。
さっきの人だ！！ と思いましたが、もしかしたら本当に妊娠しているかもしれないし、変に言いがかりを付けたみたいになって揉めてもな……ともやもやしていました。
思いがけず勇者登場！
すると、停留所で見かけた別の女性が、自分のマタニティマークを若い女性に見せながら話しかけました。
「妊娠されてるんですか？ 私もです！ お互い頑張りましょうね！ 今何週目ですか？」
「え？ っと、10週目かな」
「じゃあ予定日は12月？」
「そうなんです！」
「あ、間違えた、今10週なら予定日4月ですよね！ ごめんなさい！ そうそう、そんな高いヒール履いてると危ないですよ！ まだ初期流産とか心配ですし」
女性は、妊婦ならでは質問を連発！居心地が悪くなったのか、若い女性二人組は次で降車していきました。質問していた女性と目が合うと、
「マタニティマークを悪用するなんて、よくないですよね」
とにっこり笑顔。
本物の妊婦さんの切れ味の鋭さに、思わず小さく拍手しました。
【体験者：30代・女性会社員、回答時期：2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター：Kato Rira
シナリオライターとして活躍するも、出産と育児を機に、フリーライターに転身。バリキャリから、家庭と仕事の両立への転換を経験し、その思いをコラムに執筆。現在はママ、PTA、職場と家庭のバランスなどを主なテーマにコラムを執筆中。