禁止事項を無視するママ友
我が子が通っている幼稚園は、イベント会場の一室を貸し切って盛大に音楽発表会を行います。普段とは違う大きなステージに、子供はもちろん保護者たちもドキドキする大イベントです。
そんな去年の発表会での出来事です。ママ友のA子はカメラが趣味で、写真撮影にとても気合を入れていました。私はそんなA子の後ろに座ったのですが、彼女のある行動でとても気が散ってしまいました。
後ろに迷惑になるため、禁止されている三脚を堂々と使用。さらに、暗転する会場でフラッシュをパシャパシャたいて撮影をしていたのです。もちろんこれも禁止行為。
会場で「迷惑行為はお避け下さい」とアナウンスされるもガン無視のA子に、私をはじめ、周りの保護者たちはウンザリしていました。
娘の気持ち
その後は他の部屋に移動し、保護者と子供で懇親会が開催されました。保護者達は「とても感動したね」と発表会の感想を話しながら時間を過ごすことに。
一方で「撮影に夢中で全然見られなかったわ〜。まぁ一瞬の記憶よりも、ずっと残る写真の方が大事だからいいんだけどね」と笑いながら話すA子。彼女の話に他の保護者たちは唖然としました。
その話を悲しそうに聞いていたのがA子の娘でした。そして娘はA子の腕をギュッと掴みこう言ったのです。
「ママにはちゃんと私を見てもらいたかった」
しかし、娘の思いは全くA子には響いておらず、その後も行事の度に迷惑行為を繰り返すのでした。
発表会の意味を考えさせられる
我が子の貴重な一瞬をカメラに残したいという気持ちは、どの親も同じでしょう。しかし、一番価値があるのは、自分の目で直接我が子を見ることだと思います。
カメラの中の我が子に夢中で、大切なことを見落としているA子。周りを気にせずルール違反をするA子には幻滅しましたし、一生懸命頑張っている自分を見てもらえない娘さんが、不憫で仕方がありませんでした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。