緊急の避難訓練!?
小学校や中学校で定期的に行われる避難訓練。今や、地震や火事など天災の他にも、不審者の対応でも訓練をするのが常識となっていますよね。
これはそんな中学校の避難訓練で実際にあった出来事です。
昼休みが終わり、5時間目の授業が始まろうとしていたときのことです。いつもは予告があってから始まる避難訓練ですが、この日は突然の先生の呼びかけで「緊急の避難訓練を行うので今すぐ避難します」とのこと。
生徒たちは「何事? だるいな」という雰囲気の中、渋々先生の誘導に従って全校生徒が体育館に避難しました。
しかも、「今日は告知のない特別な訓練だから」と、いつもとは違うルートで避難するとのことで、やたら遠回りして、いつも通らない通路を通って体育館まで避難しました。
避難訓練だと思っていたら……
1時間ほどの待機の後、何やら緊迫した様子の校長先生がやって来て、「落ち着いて聞いてください」と話し出した内容はなかなか衝撃的なものでした。
生徒のみんなが混乱しないように、緊急の避難訓練を実施すると言ってここに避難してきたのは、実は刃物を持った不審者が校内に侵入してきたからというものでした。
各クラスの担任の先生には予め連絡が入っていたと思われますが、先生は一切慌てる様子を見せずに生徒を誘導してくれていました。
先生たちの機転のきいた対応とスムーズな避難により、すぐに警察に通報して無事に犯人も取り押さえられ、怪我人もなく済んだとのことでした。
日頃からの訓練が大事
生徒が動揺したり不安にならないようにとの、先生たちの迅速で賢明な判断には本当に感心しました。
もしも、刃物を持った不審者が侵入してきたので慌てて逃げなさいと言っていたら、きっとみんな怖がって悲鳴をあげたりして、一気に混乱していたに違いありません。
想定される様々な有事に備えて、日頃から話し合ったり訓練してくれている先生たちには本当に感謝しかないし、改めて素早い対応が素晴らしいと思った出来事でした。
また、このようなことはあってほしくありませんが、このご時世何があるかわからないので、万が一の事態に備えて、普段から訓練を行っておくこともやはりとても重要だと実感しました。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2022年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kumi.M
保育士歴25年。ママたちの修羅場、バトルを多数目撃し、その経験を元にコラムニスト活動をスタート。アラフィフ主婦となった現在は、ママ友・育児・嫁姑問題などを、幅広い人脈を駆使してインタビューを行い、執筆する。