息子にスマホを持たせることに
私の息子は今年中学2年生になりました。
塾通いで帰りが遅くなる日も増え、ついに息子にも自分用のスマホを持たせることに。いつでも連絡が取れる安心感はありますが、同時に湧き上がるのは子どもがスマホを使うことへの不安です。
出会い系サイト、有害サイト、ゲーム依存……思春期の多感な時期だからこそ、危険な情報に晒されるリスクを最小限に抑えたいと私は考えました。
入念にフィルタリング
そこで私は息子にスマホを渡す前に、入念にフィルタリング設定を行いました。
出会い系サイトやアダルトコンテンツはもちろん、子どもに悪影響を与えそうなサイトやアプリは徹底的にブロック!
まるで鉄壁の要塞を築くように、あらゆる危険から息子を守ろうとしたのです。
設定中、息子は「ねぇ、何してるの?」と覗き込んできましたが「子どもは気にしなくていいのよ」と軽くあしらい、詳しい説明はしませんでした。
えっどうして?!
ところがある日、ふと息子のスマホを見て驚愕しました。フィルタリングしたはずのアプリが、何事もなかったかのように起動していたからです。
「まさか……でも一体どうやって?」
問い詰めると、息子は悪びれる様子もなく、「だって気になったから」と白状しました。なんと、私の手の動きや画面を盗み見て、パスワードを突破してしまったらしいのです。
息子の行動にショックを受けると同時に、私は自分の考えを深く反省しました。
制限することにばかり気を取られ、「なぜそれらが危険なのか」「アクセスするとどうなるのか」の説明を怠っていたことに気付いたからです。
息子は、ただただ「禁止されている」という事実のみを突きつけられ、その理由を理解しないまま、好奇心を抑えることができなかったのでしょう。
理由もなく禁止するのも危険
それからは、フィルタリングする前に、どうしてこれを見てほしくないのか、見ることでどういうリスクが生じるのかをきちんと説明するようにしました。
ネット上でのいじめや、個人情報の流出、ゲーム課金による高額請求……息子は真剣な表情で私の話を聞いて納得したようで、それからはルールを守ってくれています。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。