職場にはその職場ごとにルールがあるものですよね。しかし、長年繰り返された結果、今では非効率的で時代錯誤になってしまったルールもたくさんあるようです。今回は友人が転職先で経験したエピソードをお届けします。

転職先での【お菓子配り】

私は最近転職し、新しい職場で営業事務として働き始めました。
接待や出張が多い営業部の補佐ということで、営業事務には取引先からの手土産がよく届きます。新人である私は、必然的にその手土産を同じフロアの社員たちに配る役目を任されることになりました。

謎のルールに疑問

ただ配るだけなら、大した労力ではありません。
しかし、私を待ち受けていたのは、ベテラン女性社員Sさんからの謎ルール攻撃でした。

「役職の高い人から渡す」といった基本的なマナーだけでなく、「配る時間は15時のおやつの前」「果物やケーキは課長以上には陶器の皿、それ以外はキッチンペーパー」「男性社員が配り始めたら『私が配ります』と言ってすぐに引き受ける」「離席者にはメモを置いておく」などなど、細かすぎるルールに戸惑いを隠せません……。

もっと効率的にならないの?

確かに、職場の慣習や暗黙のルールに従うことも時には大切です。でも、人によって好き嫌いもあるし、いちいち自分の仕事を中断してお菓子を配ったりメモを置いたりするのは、正直面倒で手間もかかります。
もっと効率的な方法はないのだろうか……私は考えました。

その結果、オフィスの入口付近に小さな机を設置し、「○○さんからのお土産です。ご自由にどうぞ。1人1個でお願いします」という貼紙を貼ってみることに。
これなら、欲しい人が自分でお菓子を取ることができます。

時には変化も必要

私のこの行動に、Sさんは「トラブルになる」「昔からのマニュアルが台無し」と猛反発。これまでのやり方を変えることに抵抗を示しました。

しかし、Sさんの心配をよそに、今のところ何のトラブルも発生していません。
むしろ、自分の好きなタイミングで好きなお菓子を取れるようになったことで、社員たちからは好評の声が上がっています。

最初は嫌がっていたSさんも、私が時間をかけて根気強く説得した結果、今では意外とこのやり方を気に入ってくれているようです。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。