非常識な同期
私が30代半ばで転職したときのお話です。
当時、私はシングルマザーで正社員の仕事を探していました。
運よく採用された会社の同期は7人。
その中に、Nという女性がいました。
Nは私よりも一回り年上。
自慢できるキャリアがあるらしく、常に上から目線で「私はすごい」「期待されている」というようなアピールが多い人でした。
Nは私と同じ課に配属され、一緒に研修を受けたのですが、なぜか毎日居眠りをしていました。
昼休憩のときにも眠そうにしていたので「疲れてるね」と声を掛けると、何と男の人とのデートが忙しいと言い出したのです。
私以外の同期は皆聞いていないフリ。
それでもNは嬉しそうに話すことをやめませんでした。
朝一番の出来事
それから1ヶ月ほど経った頃でした。私たちのオフィスが入っているビルの1階にはコーヒーショップがあり、仕事前に仲の良い同期とコーヒーを飲むことが楽しみになっていた私は、いつものように2人で出勤前のコーヒーを楽しんでいました。
すると、そこに普段は見かけないNの姿が。かと思うと、急に私たちの方へ寄って来て「紹介するわね」と言って男の人を連れてきたのです!
Nとはそんなに仲が良いわけでもないし、ましてや会社が入っているビルに朝から彼氏を連れてくるなんて……私たちはあ然としてしまいました。
Nはなぜかそれを驚いていると受け止めたようで「カッコいいでしょ! あなたたちも頑張って!」と言い残し、腕を組んで去って行きました。
自慢
Nは昼休憩のときなども彼氏の話に触れてほしくて仕方ないようでしたが、私と同期の友人はわざと何も言いませんでした。
するとNはしびれを切らしたように「ねぇ、どうだった? 幸せそうだったでしょ?」と話しかけてきたので、いい加減うんざりした私は思わず「いいんじゃない?」と軽蔑するように答えてしまったのです。
Nはそれでも空気を読まずに「あなたはシングルなんでしょ? 男を見る目がないから離婚する羽目になるのよ! ああいう男を捕まえないとダメよ!」と偉そうに説教をしてきました。
上から目線で非常識なことを平気でするNに対し、私は苦手意識を持つようになってしまいました。