「親しき中にも礼儀あり」といいますが、学生時代からの友人関係は問題があったとしても簡単には切れないものです。
これは私の友人から聞いた、人の持ち物をなんでも鑑定するデリカシーゼロな女友達との話です。

「それいくら?」無神経に値段を聞く女友達

私には大学生の頃から仲の良い5人組の女友達がいます。
結婚後もその関係は続き、1年に数回はみんなで会う機会を作っていました。

その中の友人A子は、自慢話が多く負けず嫌い。
とにかく人の持ち物の値段を知りたがる無神経女なのです。
それでも昔なじみの友人なので、みんな受け流しながらなんとか付き合っていました。
しかし、会うたびに「B子のそのピアスいくら? どこで買ったの?」「C子の財布それどこのブランド? いくらしたの?」「私のバッグ20万なんだけど、D子のバッグそれより安いでしょ?」などといったデリカシーの無い発言をするA子に、正直うんざりしていました。
しかし長い付き合いということもありA子だけ呼ばないわけにもいかず、他の友人たちに言うことも出来ないまま、モヤモヤした気持ちで付き合いを続けていたのです。

婚約祝いの食事会で

そんなある日、まだ結婚していなかったB子が婚約したため、5人でお祝いの食事会を開きました。
あとからB子の結婚相手も参加してくれて、とても楽しい時間を過ごしていました。

しかし、またA子がその場を凍りつかせるような一言を放ったのです。
「B子の婚約指輪いくらだったの?」
全員の顔が一瞬で曇りました。

B子の婚約者は本当に良い方で、一瞬呆気にとられた顔をしていましたが、「やめてくださいよ~!恥ずかしいから~!」と笑って受け流してくれました。
そしてみんな凍りついた空気を回復させるように必死で楽しい話をしていると、しばらく黙っていたA子がスマホの画面をみんなに見せながら再び口を開きました。

「ねぇねぇ、B子の指輪ってこれ? この15万円のやつ?」

どうやら指輪のデザインをネット検索し、値段を調べていたのです。
「え?ほんとにこれだったの? 15万円はなくない?もっといいやつもう一回買ってもらいなよー!」と一人で喋り続けるA子。

とうとうB子の結婚相手も黙り込んでしまい、全員がお通夜のような雰囲気になってしまいました。
とにかく最悪の空気のまま終わらせないようにと、「素敵な旦那さんと出会えて良かったね!」と残りのメンバーで心からお祝いし、B子カップルは先に帰って行きました。

A子よ、さようなら

もう我慢ならなかったほかのメンバーは「今まで我慢してたけど、今回のは本当にありえない!」とA子に大説教。
するとA子は「本当のこと言って何が悪いの!? 15万円の安物の指輪なんて私だったら無理!」と逆ギレし、その後全員のLINEをブロック。
長年我慢してきましたが、その日を機にA子とは縁を切りました。
B子の結婚式にA子が来ていたらと思うと、その前に縁が切れて良かったと心から思いました。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:かたひらむぎ
大手マスメディアに勤務し、結婚を機に退職。現在は2児を育てる専業主婦ライター。家族や友人など、波乱万丈な人生を送る人たちに囲まれ、取材対象に。インタビューを行う中で「事実は小説よりも奇なり」を実感。体験者のリアルな思いを読者に届けるべくltnで活動中。